宮崎県で行われている斗山ベアーズの第2次春季キャンプは、毎日異なる場所で行われている。
日本プロ野球の2軍チームを相手にした練習試合などはサンマリンスタジアム宮崎や生目の社運動公園野球場で行われ、チーム練習は西都原運動公園野球場や久峰総合公園野球場、SOKKENスタジアムなどを行き来する。
空いている日本プロ野球の球場をその都度利用するため、観戦者も同じく移動を強いられる。
だが、それでも練習場を毎日訪れる熱狂的な斗山のファンがいるようだ。
そのファンの名前はオオツカシゲコさん。斗山ベアーズの“天才ショート”と評されるキム・ジェホ(34)のファンとなってから今年で11年目となる、日本人女性ファンだ。
オオツカさんは11年前、大分県で行われた斗山の春季キャンプを現場で観戦してから、キム・ジェホにはまるようになった。
その後は韓国と日本を行き来し斗山の試合に訪れるだけでなく、最近では韓国にワンルームを構えるなど、“キム・ジェホ・ラブ”は今も続いているという。オフシーズンは日本に、シーズン中は韓国に滞在している。
斗山の春季キャンプ中は、宮崎近辺のホテルに宿泊し練習場を行き来する。オオツカさんの実家から斗山の練習場までは約4時間もかかるという。それでも、「宮崎は田舎だからソウルよりも移動が楽。いくら長時間かかろうと、私たちの王子様(キム・ジェホ)を観られるのならそれに勝るものはない」と、オオツカさんは熱いファンの心を露わにした。
斗山のスタッフ間でも名の知られている熱狂的なファンのオオツカさんだが、だからといって特別な行動をしたり目に付くような応援をするわけではない。
試合がある日は毎回同じ席に座りキム・ジェホの姿を見守り、終了後は静かにスタジアムを離れる。目が合っても軽く挨拶する程度だ。
去る2月26日に行われた斗山と西武ライオンズの練習試合を観戦していたオオツカさんは、「久しぶりに近くで観ることができて本当に良かった。練習時に少し挨拶もしたが、笑顔を見られて良かった」と話した。
今シーズンもオオツカさんの願いは変わらない。“健康な”キム・ジェホをグラウンドで観られればそれで良いのだ。
幸いにも、現在キム・ジェホのコンディションに大きな問題はない。自ら「打撃感覚が良い」と言うほど、シーズンの準備は順調なようだ。これにはオオツカさんも「キム・ジェホがオーストラリアでの第1次キャンプから良いコンディションを維持しているようで、いつになく気分が良い」と喜びを見せている。
選手たちが昼食のためグラウンドを離れた後、オオツカさんは練習場近くのベンチに座ってグラウンドを見まわした。
「初めて観たときの、あのキラキラと輝いていた姿を今でも覚えている。11年が経った今でも変わらず輝いている」
11年間変わらぬオオツカさんの愛情は、今もキム・ジェホに注がれているようだ。
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