わずか0.04秒が足りなかった。
“韓国競泳のエース”ファン・ソヌ(21、江原道庁)が日本の松元克央(27)に押され、決勝進出を逃した。
ファン・ソヌは7月29日(日本時間)、パリのラ・デファンス・アリーナで行われたパリ五輪の競泳・男子自由形200m準決勝1組で、1分45秒92の記録をマークした。その結果、準決勝に出場した16人中9位にとどまり、上位8人に与えられる決勝進出のチケットを手にすることができなかった。
8位の松元克央(1分45秒88)とはわずか0.04秒差であったため、悔しさが一層増した。
韓国競泳の黄金世代は、今大会で多くの期待を集めた。
スタートも良かった。最初の種目であった男子自由形400mで、キム・ウミンが不利な1レーンを克服して銅メダルに輝いた。“マリンボーイ”と呼ばれるパク・テファン以来、実に12年ぶりのオリンピック競泳のメダル獲得であった。
そしてファン・ソヌが登場した。彼は韓国競泳史上、初めて3大会連続で世界選手権のメダルを獲得した、名実ともに韓国競泳のエースだ。
最近の調子も良好だった。ファン・ソヌは2022年の世界水泳ブダペスト大会で銀メダル(1分44秒47)を獲得し、エンジンをかけた。さらに2023年の世界水泳福岡大会では、1分44秒42で銅メダルを獲得。特に今年開催された世界水泳ドーハ大会では、1分44秒75で金メダルに輝いた。
ファン・ソヌは主力種目である自由形200mでメダル獲得を目指した。彼は出国時、「自由形200mはダビド・ポポビッチ(ルーマニア)、マシュー・リチャーズ(イギリス)、ダンカン・スコット(イギリス)、ルーカス・マルテンス(ドイツ)、ルーク・ホブソン(アメリカ)など8人の選手が今年、1分44秒台の記録を持っている。最後のタッチ一つで順位が決まる可能性がある」と語り、「しかし、これまでのトレーニング通りにやれば十分に良い結果が得られるはずだ。必ず表彰台に上るために努力する」と自信を見せた。
予選の記録も悪くなかった。ファン・ソヌは1分45秒13を記録し、全体4位で準決勝に進出。自己ベストの1分44秒40に比べれば若干劣るものの、予選での結果としては十分良かった。イギリスのダンカン・スコットとともに4位タイとしたファン・ソヌは、準決勝1組の5レーンに配置された。
しかしファン・ソヌは準決勝で遅れを取ってしまった。彼は良いスタートを切ったものの、最後の50mでペースが急激に落ちた。結果は1分45秒92という惜しい成績。結局、2組に出場した日本の松元克央に押され、わずか0.04秒差で決勝進出を逃した。
終盤の失速が痛かった。ファン・ソヌは最初の50m区間で24秒10を記録し先頭に立った。50~100m区間でも50秒95を記録し、1位の座を譲らなかった。しかし強みとされていた100~150m地点で力を失い始め、突然揺らぎ、4位に転落。最後の50m区間でもペースを取り戻せなかった。区間記録を見ると、100~150m区間の記録は27秒67、最後の50m区間の記録は27秒30であった。終盤のスパートが強いとされるファン・ソヌらしからぬレースだった。
試合後、ファン・ソヌは悔しさを隠せなかった。「何が問題だったのかまだ把握できていない。予選から準決勝まで体調も悪くなかったので、うまくやれると思っていた」と述べ、「しかし最後の50mのスパートで進めず、むしろ過負荷がかかり、そのためペースが落ちて難しい状況になった」と分析した。
痛い準決勝敗退だが、ここで終わりではない。まだ自由形100mと団体戦である800mフリーリレー、400mメドレーリレーが残っている。
特に800mフリーリレーではメダルの可能性が十分にある。ファン・ソヌも「いつ再び訪れるかわからない機会を掴んだので、残りの期間をうまく準備し、全メンバーとともに表彰台に上りたい。中国、オーストラリアと3位争いを繰り広げることになるだろうが、必ず2国を制して銅メダルを獲得する」と決意を示していた。
痛みを乗り越え立ち上がらなければならないファン・ソヌは「まだ大会は終わっていない。自由形100mと800mフリーリレー、400mメドレーリレーが残っている。まずは今回の試合を早く忘れて、振り払わなければならない。次の試合に集中する。私の人生で今回のオリンピックが終わりではない。この試合を契機にさらに成長する」と力強く語った。
なお、共に出場したキム・ウミンは1分46秒58を記録し、最終的に12位で決勝進出を逃した。キム・ウミンも800mフリーリレーで再びメダル獲得に挑戦する。
(記事提供=OSEN)
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