前ローマ監督で“名将”と呼ばれたジョゼ・モウリーニョ氏が、韓国代表監督を解任されたユルゲン・クリンスマン氏を遠回しに批判した。
YouTubeチャンネル『EA SPORTS FCオンライン』で5月8日に公開された最新動画では、モウリーニョ氏がインタビューに応じ、FWソン・フンミン(31、トッテナム)やDFキム・ミンジェ(27、バイエルン・ミュンヘン)ら擁する韓国代表について言及した。
韓国代表を「アジアで才能のあるチームの一つ」と称えたモウリーニョ氏は、「アジアカップで韓国が脱落するたびに残念だ。なぜ敗退するのかが理解できない。最近もカタールとヨルダンを相手になぜそうなったのか(敗退したのか)が理解できない」と明らかにした。
2019年アジアカップではパウロ・ベント体制でカタールに敗れ準々決勝敗退、2024年アジアカップではクリンスマン体制でヨルダンに敗れ準決勝敗退に終わった韓国代表。
特に、直近のアジアカップでは強力な優勝候補に挙げられていながら、ベスト4でヨルダンに0-2の完敗を喫し、決勝進出に失敗した。
ソン・フンミンやキム・ミンジェ、MFイ・ガンイン(22、パリ・サンジェルマン)など歴代屈指の欧州組が揃い、“黄金世代”とまで呼ばれながらも、クリンスマン氏の“無戦術サッカー”によって選手の能力に依存した結果だった。
何より、「頻繁な外遊」「職務怠慢」などで最後まで韓国のサッカーファンの理解を得られなかったクリンスマン氏は、後に発覚した大会期間のソン・フンミンとイ・ガンインの衝突騒動によって、リーダーシップにも問題があることが明らかになった。
「今の韓国代表には現代サッカーにふさわしい優れた選手が多い。現代サッカーに合った技術とフィジカル的な部分が素晴らしく、最高といえる欧州サッカーの経験がある選手もいる」と強調したモウリーニョ氏。
同郷のベント氏が韓国代表監督を引き受けた際に韓国代表の試合を見たことがあるとし、「ほかのアジア諸国よりレベルが高いと感じた。だから、どうかアジアカップで優勝してほしい」と要請した。
また、猛批判のなか解任されたクリンスマン氏にも言及し、「私が考えるには重要な点だ。どの国に行ったとしても、共感性を形成し、文化を理解しなければならない。その国の人々を理解することに気が進まないのであれば、しない方がましだ」と指摘した。
モウリーニョ氏は、韓国プロサッカーKリーグの試合も視聴したという話も伝えた。
同じポルトガル出身で、モウリーニョ氏のもとでアシスタントコーチを務めた経験のあるジョゼ・モライス氏が、全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースの監督を務めていた際にチェックしたという。
また、トッテナム監督時代にセンターバックを探していたモウリーニョ監督は、ソン・フンミンを通じて、当時中国の北京国安でプレーしていたキム・ミンジェを紹介されたこともあったという。
モウリーニョ氏によると、ソン・フンミンが直接ビデオ通話をして、キム・ミンジェと対話を交わすなどしたという。しかし、費用が合わず獲得に失敗したという秘話も聞かせてくれた。
モウリーニョ氏は「数年後、その選手は現在、バイエルン・ミュンヘンでプレーしている」とし、「当時、その選手は本当に安かった。自分のお金で買うこともできたよ」と、ウィットに富んだ冗談で獲得失敗への残念な気持ちを伝えていた。
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