韓国プロ野球の春季キャンプに“脱日本”の動きが見られる。
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昨シーズンからアメリカで春季キャンプを行っていたキウム・ヒーローズは、今シーズンから1・2軍ともに台湾行きを決めた。キウムは台湾の広州市と業務契約を結び、市内の野球場で2020年1月31日から40日間の春季キャンプを行う。
キウム2軍は2013年から台湾の台南で春季キャンプを行っているが、1軍キャンプ地とは1時間以内の距離にある。ソン・ヒョク監督はじめとするコーチングスタッフも、両キャンプ地を見て回ることができる。
今回、キウムが台湾にキャンプ地を移した理由は2つある。
まずは時差の問題だ。
キウムは本来、アメリカで1次キャンプを行った後、台湾で2次キャンプを行う計画だった。だが、アメリカと台湾を往来することで、適応だけで1週間程度が必要となる。その過程で免疫力が落ち、体調を崩す選手もたびたび出ていた。
昨シーズンのアメリカキャンプでは、KTウィズとお互いに動線がかぶってしまう不便な点もあった。そこで、キウムは韓国より時差が1時間早い台湾で1次・2次両キャンプを行うことを決めた。
キャンプ地をアメリカから台湾に移したからといって、経費が大きく削減されたわけではないようだ。キウムの関係者は「今回のキャンプは参加者が増えた。7000~8000万ウォン(日本円=約700~800万円)程度は減少するとみられる」と話した。
2つ目の理由は、温厚な気候に加えて円滑に練習試合を組めるところにある。
キウムのキム・チヒョン団長は「台湾プロ野球の1軍チームが、我々が来ると伝えるととても歓迎してくれた。ベストメンバーで試合に出るといっている」と喜んだ。
国内チーム同士の対戦となると、エース投手が登板しないことが多々ある。コンディション不良などの理由や、手の内を明かさないためもあるだろう。だが、台湾のチームとなれば、そんな心配もなくキャンプで準備したことをテストできる。
一方、ハンファ・イーグルスやKTウィズ、NCダイノスはアメリカのアリゾナでキャンプを行う。SKワイバーンズとKIAタイガースはフロリダに向かう。斗山ベアーズ、LGツインズ、ロッテ・ジャイアンツはオーストラリアにキャンプ地を構える。
また、斗山は宮崎県でLGは沖縄県でそれぞれ2次キャンプを実施する。斗山は日本のプロ野球チームも参加する大会に参加するが、LGは今回が最後の契約期間となる。
LGは来シーズン以降、アリゾナで1次・2次両キャンプを消化する予定だ。毎年、沖縄県の恩納村でキャンプを行っていたサムスン・ライオンズは、日本との関係を依然として注視している。
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