結局、再び原点に戻るのか。わずか数年前までは“専任監督制”に対する懐疑論と向き合ったが、今度は“兼任監督制”の問題点が明らかになった。
それは最高峰の国際大会で最悪のピッチングを見せた投手陣を見ればわかる。バランスが崩れたままストライクゾーンを外れる球を投げ続け、2度も大量失点の敗北を喫した。
球威も本来のコンディションとはほど遠く、代表選手とは信じられないピッチングだった。現在、オープン戦に臨んでいる国内プロ野球KBOリーグの投手よりも準備ができていない様子だった。
だが、これはWBC本番だけで失敗したというわけではない。
1次ラウンド開催地の日本の東京都は飛行機で2時間の距離にあったが、韓国代表は地球の反対側にある米アリゾナ州でWBCの準備に臨んだ。韓国国内の厳しい冬の寒さを避け、コンディション調整に最適なアリゾナ州の温暖気候を期待してのことだが、いざ到着すると異常気象で体調が大きく崩れた。
代表合流前、所属チームがアリゾナでキャンプしていた選手たちは時差の問題もなく練習に臨めたが、オーストラリアやグアム、沖縄、韓国などから合流した投手たちは時差適応に努めなければならなかった。
その後、大会を10日後に控えて韓国に戻り、再び時差適応をしなければならなかった。
野球は上手く適応した側が勝つ。特に投手は打者との勝負の前に、天候や球、マウンドの土の材質などあらゆる変数を克服してこそ、自らが望む結果を得られる。
投手が実戦に先立ち、1カ月ほど準備過程を積むのも明確な理由がある。
しかし、韓国代表の投手たちはWBCという大舞台の前に、数多くの変数を向き合わなければならなかった。
方法がなかったわけではない。
招集日の2月14日当時、代表選手たちはアリゾナではなく日本の沖縄で集まることができていれば、コンディション管理が一層容易だったことだろう。時差適応の変数もなく、3週間の準備期間を綿密に過ごすことができた。
強化試合の相手を探すのも難しくない。サムスン・ライオンズは早々から沖縄でキャンプをしていたし、2月末にはKIAタイガースやハンファ・イーグルス、SSGランダースが沖縄にやってきた。
だが、実際には2月16日にアリゾナでNCダイノスを相手に初の実戦を行った。早い時期にもかかわらず対戦相手になってくれたNCに申し訳ない気持ちを抱きつつ、試合を見守ったが、正常なコンディションではない投手陣がさらに大きな問題だった。