蔚山現代は昨年、天野を横浜F・マリノスからレンタル移籍で獲得し、戦術のキーマンとして活用した。天野はリーグ戦30試合出場で9ゴール1アシストを記録し、チームの17年ぶりリーグ制覇に貢献した。
そして昨年末、天野は蔚山現代とのレンタル契約が終了した後、今度は蔚山現代の最大のライバルである全北現代へとレンタル移籍した。
ホン監督は先月、「(天野は)私に“(お金は)構わないから残留する”と話した。だが、(何の話もなく)全北現代に行った」とし、「我々の選手とクラブを尊重しなかった」と公開批判した。
天野は蔚山現代が提示した金額より10万ドル多い年俸を全北現代から受け取ったとされている。そして、「蔚山に残ると言ったのは事実だが、タイミングを見ると、全北から正式オファーが来た後、蔚山でミーティングをした」と、蔚山現代が自身に対して積極的な姿勢がなかったと対抗した。
結果的に、蔚山現代のリーグ制覇をともにした“師弟”の縁はサッドエンドに終わった。
ホン監督は「私はただ、昨年の天野の誤った行動を指摘しただけだ。我々の立場でこれ以上話すことはない」と、天野と関連した話題をキッパリと締めくくった。
蔚山現代は新シーズンに向けて、1月下旬から2月中旬にかけてポルトガルでキャンプを実施。欧州チームと強化試合を行い、実戦感覚を固めてきた。
「昨年のメンバーが多く離脱はしなかったが、新戦力が入ってきてどのように戦術的に組み合わせるかを悩んだ」というホン監督は、「色々なオプションが一つや二つ程度増えたことを確認した。足りない部分を埋める時間的余裕もあり、充実したトレーニングだった」とキャンプを振り返った。
また、キャンプ期間にテストした3バック戦術については、「昨年から基本的に、どのように(3バックを)使うのか共有されている。変形3バックのようなものに近い」と強調した。
そのほか、ハンガリー代表FWマルティン・アダム(29)と新加入の韓国人FWチュ・ミンギュ(32)の共存について、「長所と短所を感じた。2人が同時出場する場合、ほかの選手はどうすれば良いのかという理解が高まった。今後も見守る必要がある」と述べた。
なお、蔚山現代と全北現代によるKリーグ1の2023シーズン開幕戦は、来る2月25日に蔚山現代ホームの蔚山文殊サッカー競技場で行われる。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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