だからこそ重要なのはゴール前での決定力だ。前回のガーナ戦はシュート数21本対8本と相手より2倍以上も放ちながら、チャンスを活かしきれず2-3で敗れた。
11月30日、韓国がチーム練習を行うアル・エグラ・トレーニングセンターで取材に応じた解説者のイ・ジュホンは、「我々はガーナのように戦わなければならない。チャンスを最大限生かしてこそ勝利できる。結果を得るためにはゴール前での集中力が重要だ」と話した。
そんな韓国でいま最もゴールを期待できる選手こそ、まさにFWチョ・ギュソン(24、全北現代モータース)だ。
チョ・ギュソンはガーナ戦、ヘディングだけで2ゴールを決める驚異の活躍を見せた。韓国でW杯1試合2ゴールを記録したのはチョ・ギュソンが史上初だ。
ウルグアイ戦では途中出場から秀麗な外見で人気を得たとすれば、ガーナ戦では実力とゴールでスーパースターにのし上がった。
現在までにチョ・ギュソンのインスタグラムのフォロワーは160万人を突破した。W杯前まで2万人程度に過ぎなかったことを考えると信じられない人気上昇ぶりだ。
“カタールの王子”となったチョ・ギュソンはポルトガルメディアからも強く警戒されている。ポルトガル地元紙『パブリコ』は11月29日、「韓国のハンサムガイ」という見出しでチョ・ギュソンを紹介するとともに、「ポルトガル戦でチョ・ギュソンが再び実力を証明するだろう」と伝えた。
ガーナ戦の活躍を考えれば、チョ・ギュソンはポルトガル戦でも先発出場するだろう。ただ、それだけ重い責任を抱えていることも事実だ。
いずれにせよ、韓国は引き分け以下に終わった場合、試合を終えてすぐに荷物をまとめなければならない。後ろを振り返る余裕はないだけに、ストライカーの役割がかつてなく重要なのは確かだろう。
チョ・ギュソンには最前線で相手DFと競り合い、フィジカルバトルで耐えてチームメイトにボールをつなぐ役割を担う。自身にチャンスが来れば、しっかりフィニッシュまで持ち込まなければならない。
仮にチョ・ギュソンがポルトガル戦でゴールを決めれば、アン・ジョンファン、パク・チソン、ソン・フンミンとともに韓国のW杯最多得点記録(3ゴール)保持者の一人になる。
そして何より、初めて1大会で3ゴールを決めた選手として新たな歴史を築くことになる。韓国サッカー界の往年のレジェンドたちが誰も成し得なかった偉業が目前に迫っている。チョ・ギュソン自身も、とても意味のある試合として記憶することになるだろう。
何はともあれ、韓国は奇跡の決勝トーナメント進出を信じて強敵ポルトガルを破らなければならない。“ドーハの奇跡”への扉を開くカギはチョ・ギュソンが握っている。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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