電撃中止のMLB韓国ツアーは“そもそも”不可能だったと言えるワケ、大谷翔平やカーショウの来韓難しく…

コリアツアーは、今回初めて始動したイベントではない。数年前からMLB事務局は、韓国でも日本、台湾のようにオールスターツアーを開催することを望んでいた。オフシーズンの高尺(コチョク)スカイドームで、MLB選手たちがKBOリーグオールスターと対決する絵を描いてきた。

しかし常に付きまとっていたのは費用面での問題だ。MLB選手たちの高い出場手当てを合わせるには収支の採算が合わなかった。

チケット価格を上げようとすると現実性がなく、チケット価格を下げれば選手たちにペイできない。大型スポンサーを誘致しない限り、MLBツアーは不可能であり、そのため、すでに数回の企画が失敗に終わっていた。

KBO側もこのような状況をよく知っていた。今年5月、KBO関係者は「MLBワールドツアーよりは、以前に日本で行ったMLB公式開幕戦が良いのではないかと思う」と話したことがある。

(写真提供=OSEN)大谷翔平

キム・ハソン、ダルビッシュ有が所属するパドレスと、韓国野球ファンに馴染みのあるロサンゼルス・ドジャースが、蚕室(チャムシル)球場または社稷球場で対決するのがMLBワールドツアーより利益が出る可能性が高いという意味だ。

またワールドツアーに含まれる選手たちよりも、韓国ファンに馴染みのある選手たちの方がチケットも売れる。パドレスとドジャースの開幕戦前、韓国球団が彼らと対戦し、オープン戦のような意味合いの興行試合を行う方がより注目を集めることは明白だ。

2019年に日本で行われたシアトル・マリナーズとオークランド・アスレチックスのMLB開幕戦のように、レギュラーシーズンの一試合を行うことが新シーズンへのブームアップを図る上でも効果的との見方もある。

プロ野球はローカルスポーツのため、各国またはリーグを代表して参加する国際大会よりも、自国のプロリーグへの関心がより熱いのが常だ。

MLBも同様の性質を持っている。2006、2009年のWBCの場合、アメリカ代表チームへの関心よりMLB球団への関心がより大きかった。負傷、コンディションへの懸念などで、贔屓球団の選手のWBC参加に反対するファンも多かった。

トップ・オブ・トップが集まらない、形式的なチームでは意味がない。単にMLB選手というバリューだけで満員の観衆を期待したとすれば、それはMLB事務局の誤審である。

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