天野純や髙萩洋次郎のことも。オ・ジェソクに聞く「日本人Kリーガー」「韓国人Jリーガー」の往来【一問一答】

2015~2016年にFCソウルでプレーしていた当時はとてつもない活躍を披露していましたし、それ以降、アジア枠を日本人選手に使おうというクラブが増えたと思います。

それに、Jリーグではなく欧州でキャリアを積んだ日本人選手にも注目するようになりました。最近だと西翼(ソウルイーランドFC)や鈴木圭太(大邱FC)がそうですね。

そもそも、日本人選手の挑戦したい思いが強いこともあると思います。韓国ではプロ選手としてお金を稼いで、家族の面倒を見なければならないという構造があります。海外でプレーするときも、本人の意思も大事にするとはいえ、家族の意見も重要視します。そうみると、日本は比較的挑戦の選択が自由だと思います。

最近では邦本(宜裕/全北現代モータース)が頑張っていますし、翼も昨季まで在籍した大邱FCで成功したので、日本人選手に対する視線がだいぶ変わりました。ただ、個人的には、髙萩洋次郎さんが最も大きな役割を果たしたのではないかなと思います。

今季なんかは天野純が大活躍をしているので、ほかのチームも日本人選手に対する関心がかなり高くなっているようです。僕も聞かれますよ。日本人にいい選手はいないのかと。日本人選手を獲得したいチームは多く、実際に関係者から僕に連絡が来て、日本人選手について聞かれましたし、僕も正直に伝えました」

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)FCソウル時代の髙萩洋次郎

―天野純選手や小林祐希選手など、実績のある日本人選手がKリーグにやってくるケースも多くなっています。

「本当に歓迎すべきことですよね。天野純に関してはJリーグ時代から知っていて、攻撃的MFのなかでは最も記憶に残る3人のうちの一人でしたし、彼が蔚山現代に加入するニュースを見たときは驚きました。

天野純とは何度か試合で対戦したことはありますが、実際に親交があるわけではなりません。でも、ガンバ時代に対戦したときにすごく上手いなと感じて、かなり印象に残っています。当時は(キム・)ヨングォンと“マリノスの10番は本当に上手い選手だ”と話していたのですが、その2人が今季同じチームでプレーしているんですから、本当に不思議ですよね。

小林も日本代表経験のある選手なので、そのような選手たちがKリーグにやってくれば、自然とリーグ全体のレベルも上がりますし、観戦する楽しさも増します。彼らは韓国の選手にない長所を持っているので、本当にリーグレベルを高めてくれる選手だと思っています」

―では、現在のKリーグで特に印象深い日本人選手を挙げるならば、どの選手でしょうか。

「それはやっぱり天野純ですよ。天野のKリーグ進出が決まったときは、“彼は本当に上手い選手なんだ”って周りにたくさん話しました。今季の蔚山現代は清水エスパルスに移籍したオ・セフンや、欧州に進出したイ・ドンギョンやイ・ドンジュンなど、複数の主力が抜けたので心配していました。ただ、天野純が来ると聞いてからはそんな心配もしなくなりました。いつか天野純と会う機会があれば、本人と挨拶してみたいですね」

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)天野純

―ちなみに、Jリーグでプレーしていた頃に、「彼ならKリーグで活躍できる」と感じた日本人選手はいますか?

「ガンバ大阪では倉田秋、FC東京では橋本拳人、名古屋グランパスでは稲垣祥を、Kリーグに連れていきたいと個人的に思っていました。色々なチームでプレーしながら、彼らのような選手はKリーグでも活躍できると思って、“この選手が韓国籍だったら…”なんて考えたこともありましたよ」(つづく)

(取材・文=姜 亨起)

【第3回】オ・ジェソクが見る今のJリーグと日本代表

【第2回】オ・ジェソク、9年ぶり復帰Kリーグでの近況と結婚生活を語る

【第1回】オ・ジェソクが今こそ明かす「名古屋移籍」と「韓国復帰」の裏側

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