日本では名前を「山本聖悟」とするキム・ソンオは、韓国人の母親と日本人の父親の間に生まれたファイター。
現在は秋山成勲(チュ・ソンフン)率いるチーム・クラウドに所属しており、韓国では“チュ・ソンフンの弟子”とも呼ばれている。
そんなキム・ソンオは、今回の対決のために秋山と多くの時間を過ごしながら準備をしたことが伝えられ、大きな注目を集めた。
キム・ソンオは「イ・ジョンヒョンに生涯初のKO負けを贈りたい」と宣言し、日本からはるばる韓国へと渡った。
韓国国内のファンも、「今度こそイ・ジョンヒョンに真のライバルが登場した」と大きな関心を示した。
ただ、試合は驚きの結果に終わった。6連勝(KO3回、判定勝ち3回)という結果を認めたくない一部ファンの嫉妬に、イ・ジョンヒョンが完璧な実力で答えた。
イ・ジョンヒョンは素早い動きでキム・ソンオを翻弄した。毒蛇のように繰り出される拳にキム・ソンオは戸惑いを隠せなかった。「電光石火」という言葉しか思い浮かばないほど、早くて正確なパンチだった。
1ラウンド3分が経過した頃だった。イ・ジョンヒョンの素早いステップに後退していたキム・ソンオは、イ・ジョンヒョンの左右連打を受け、失神してコートに伸びた。試合開始3分12秒のことだった。
ファンはイ・ジョンヒョンの実力に感嘆の声を漏らし、力強い拍手と歓呼を送った。“疑問”が“認定”に変わった瞬間だった。
イ・ジョンヒョンは試合後、「勝利できて本当によかった。ファンの前で良い姿をお見せできたようで、とても嬉しくて満足している」と心境を明らかにした。
イ・ジョンヒョンはキム・ソンオを破り、2つの目標を明確に表した。一つは『ROAD FC』フライ級王者に登り詰めること、もう一つは日本で“格闘の天才”と呼ばれる那須川天心と対決することだ。
「(タイトルマッチは)時間の問題。僕がその気になればすぐにできなければならない。今の僕はもう(タイトルマッチを)すぐに戦える位置にあると思う」と、フライ級王者への並々ならぬ野望を隠さなかったイ・ジョンヒョン。
それとともに、「テンシンは日本の“格闘の天才”であり、人気も非常に高い。僕は韓国の“格闘の天才”なので、韓国と日本を代表する選手同士が試合できると良いだろう。僕が『RISE』でプレーすることになっても、テンシンが『ROAD FC』でプレーすることになったとしても、必ず対決したい」と、那須川に“挑戦状”を叩きつけた。
日本を代表するファイターで知られる那須川は、『RISE』世界フェザー級王者であり、『ISKAオリエンタルルール』世界バンタム級王者だ。2018年の大みそかにはフロイド・メイウェザーとのエキシビジョンマッチを行い、世界的な話題を呼んだ。
17歳でケージに上がり、2年間で7戦無敗という決して侮れない経歴を積み上げてきたイ・ジョンヒョン。自らを韓国の“格闘の天才”と呼ぶ若きファイターが、那須川とケージの上で相まみえることはあるのだろうか。
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