かつてシンシナティ・レッズやテキサス・レンジャーズなど米メジャーリーグで活躍したチュ・シンス(39、SSGランダース)が、40歳になる来季も現役を続行する決意を表した。
韓国プロ野球KBOリーグのSSGランダースは11月16日、チュ・シンスと年俸27億ウォン(日本円=約2億7000万円)で2022シーズンの再契約を結んだことを発表した。同時に、再契約と関連したチュ・シンスのコメントも伝えられた。
16シーズン過ごしたMLBに別れを告げ、今季から参入したSSGで韓国プロ野球初のシーズンを戦ったチュ・シンス。
39歳とベテランながら主力外野手として活躍し、MLBでも通用した優れた選球眼と走塁センスを発揮。137試合で打率0.265、21本塁打、25盗塁、69打点、84得点、OPS(出塁率+長打率)0.860の成績を残した。
特に、韓国プロ野球最年長記録となる「20本塁打20盗塁」「球団初100四球」「出塁率0.409(全体6位)」などを達成し、リードオフマンとして球団の勝利に貢献し続けた。
以下、チュ・シンスとの一問一答。
◇
―シーズン終了後はどのように過ごしていたのか。
レギュラーシーズンの間、日程の関係で会えなかった韓国の知人に挨拶したり、応援してくださった方々と会って感謝の気持ちを伝えたりしながら時間を過ごした。
アメリカではまだ数日しか経っていないが、毎日、子どもたちを学校に送り、子どもが移動を必要とするときは運転手になるなど、一緒に時間を過ごしている。家族として、父とし手の本分に戻り、日常を過ごしている。
―SSGと再契約をした理由は。
まず、妻の信頼が再契約をした最大の理由だと思う。“野球選手”という職業は一生できることではなく、限られた時間が与えられているだけに、特に妻が私のことを理解してくれた。マイナーリーグ時代から野球に対する私の気持ちと野球と向き合う誠実さを妻がよく理解してくれて、今回も私の決定に従ってくれた。
妻も短い時間ではあったが韓国の球場で試合を観てくれて、私が韓国野球に役立てる可能性も考えてくれたし、「今のように機会があるときは選手生活をしながら少しでも多くの後輩のために役に立ってほしい」と話してくれた。
私が最も重要に思っていた部分は、まだ選手として着実に試合に出場できるという点だ。今シーズンを通じて、全試合ではないが130試合以上出場できる体の状態と体力があることを確認できたし、また来年も試合に出てチームを助けられると思い、SSGと再契約することを決めた。
今シーズンは負傷者がたくさん出てチームが厳しい状況でも、最後まですべての選手が諦めず5強争いをした。それだけSSGの選手には根性と闘志があるということだ。そこにSSGが今後もっと上手くできるという大きな可能性を感じたし、球団に戻って同期の(キム・)ガンミンをはじめ多くの後輩と一緒にもう一度シーズンを戦いたい思いが強くなった。
―現在、肘の状態はどうか。今後の計画は。
今シーズンは腕の状態のために外野守備でストレスをたくさん感じた。だから、来シーズンは外野守備でチームのために最善を尽くさなければならないと思い、手術に踏み切ることを決めた。
外野守備を捨てて打撃に専念すれば個人的に楽だろうが、チームとしてはマイナスだと思った。1シーズンを戦うには複数の選手が順番に指名打者で試合に出てこそ体力を分配できる。だが、一人が指名打者で出場し続けるようになると、複数の選手に支障が出る。
若くない年齢なので難しい決定ではあるが、このような理由で手術をすることにした。復帰日程は人によって違いがあるだろうが、投手のように1年以上の長いリハビリは必要ないと聞いている。現在の目標は開幕に合わせて打撃できるコンディションを作ることだ。外野守備はそれより1~2カ月さらにかかると思う。リハビリから復帰まで余裕のある日程ではないが、最上のコンディションを作るために準備する。
―来シーズンの個人的な目標は。
これまでやってきたように、チームのためにもう一歩走って、チームの役に立つためにより上手く打とうと努力すると、自然に出塁もたくさんできて、チームの成績もよくなると思う。個人成績に対する欲を持つより、チームが今年よりも良い成績を収めなければならないと思う。来季はチームがポストシーズンに進出することが最大の目標だ。
―来季もともにするチームメイトに一言。
簡単な決定ではなかったが、再契約をした理由がSSGの選手たちのおかげであることをわかってくれると嬉しい。短い時間だったが今も多くの後輩の顔が脳裏によぎる。私がアメリカにいる間も、SSGの後輩たちから連絡があり、また来年も一緒にプレーしたいというメッセージがたくさん送られてきた。このような後輩たちがいるのに、ほかの決定を下すことは私には難しかった。来年はSSGの選手たち全員がもっと頑張れるという期待が大きい。来季は本当に楽しみなシーズンとなりそうだ。
―最後にファンに一言。
今シーズンは個人的にファンでいっぱいの球場でファンとともに呼吸をしながら野球をやりたかったが、新型コロナウイルス感染症によってそれができず残念だった。だが、来季は再び多くのファンが球場に来られるだろうと期待している。来季は負傷から復帰する選手も多いので、ファンも我々により期待してほしい。
グラウンドでファンとともにプレーするわけではないが、ファンが選手たちを応援して下さる姿を見るととてもありがたいし、これまで感じたことの内容な感情を感じたこともあった。来シーズン、選手たちはグラウンドで、ファンは観客席で、SSGがより良い成績を出せるよう、ともに力を合わせるシーズンになってほしい。
(記事提供=OSEN)
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