韓国プロ野球の八百長疑惑にさらなる波紋、強豪球団の“やりたい放題”は日常的だった?【単独】

韓国プロ野球で突如浮上した八百長疑惑の波紋が広がっている。

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フューチャーズリーグ(2部リーグ)の首位打者になるため、国軍体育部隊傘下の尚武(サンム)フェニックスが、KIAタイガースとのシーズン最終戦以外にも八百長を指示していたという疑惑が浮上した。

その試合は、10月5~7日にかけて行われた尚武と斗山(トゥサン)ベアーズの3連戦だ。八百長が疑われるような状況は、6日の第2戦終了後に起こったという。

八百長を提案されるもきっぱり拒否

尚武のパク・チワン監督は試合終了後、斗山のとある選手Aに“緩いプレー”をするように注文。まだ第3戦を残している状況での言葉だった。

Aの記憶を再構成すると、パク監督は「ソ・ホチョル(尚武の選手)が首位打者争いをしているのだから、気を使ってやれ。なんでこんなに頑張ってるんだよ。優しくやれ」というニュアンスの言葉をかけたという。

この言葉を聞いたAは、「キム・ジュヒョン(ソ・ホチョルと首位打者争いをしていたロッテ・ジャイアンツの選手)が私の友達だからできません」と断ったそうだ。

Aは相手チームの指揮官から突然の依頼を受け、「はい」と誤魔化すこともできたかもしれない。しかし、不正に対して確実に一線を引き、フェアプレイヤーのとしての姿勢を見せた。

斗山戦以後、ソ・ホチョルはKIAとのシーズン最終戦2連戦で、不自然なバントヒット2本を含む6打数4安打を記録。打率を0.388とし、フューチャーズリーグの打率部門1位を達成した。

そして現在、首位打者八百長疑惑の波紋が広まっている。

Aもこの状況を鑑みて、一歩出遅れたものの、パク監督との会話を適当に済ませることができるレベルではないと判断したようだ。

そしてAは本紙『スポーツソウル』の電話取材に対して、「当時はこの件がこんなに大きくなるとは思わず、耳を傾けなかった。ただ、“手加減しろ”くらいのニュアンスで受け止め、冗談だと思った。忖度の提案として受け入れたわけではない」と慎重な反応を見せ、「周囲の人は苦しんでいる。このことが早く解決されればいいのに」と付け加えた。

例えジョークだとしても…

Aはパク監督とのやり取りについて、すでに所属球団に報告したようだ。

報告を受けた斗山のキム・テリョン団長は、「KBO(韓国野球委員会)がこの件についても調べているので見守っている」と多くを語らなかった。

KBOクリーンベースボールセンター長のチョン・グムジョ氏は、「総合的に調査している。前後の事情も見守りながら進めている」と明らかにしている。

事実、選手間でこのようなジョークを交えたやり取りは、しばしばある。例えば相手投手に、「3割打たなければならないので、(ヒット)1つだけほしい」というニュアンスのものだ。

他チームとはいえ、気心の知れた選手同士であればジョークとして通用する程度の内容だろう。

ところが今回の事案は選手同士ではない。監督と選手の間での言葉となると、ジョークでもレベルが変わる。互いにヒエラルキーが存在するからだ。

またフューチャーズリーグで尚武は、「甲」(韓国のスラングで“神”という意味)と呼ばれており、他チームの選手らが「どうやって尚武に勝つのか」と愚痴をこぼすほどだという。そのような強豪の監督から冗談でも忖度をお願いされると、選手の立場としてはどのように立ち回ればよいのか困惑するはずだ。

なお、KIAは八百長疑惑について、尚武から依頼を受けたことはなく、所属チームの選手に緩慢なプレーを指示したこともないという独自の調査結果を発表しているが、KBOは引き続き調査を進める予定となっている。

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