「仕組まれた花札だった…」
韓国プロ野球のフューチャーズリーグ(2部リーグ)で浮上した“八百長”疑惑が進展を見せた。
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“八百長”で首位打者を獲得したという疑惑がもたれている国軍体育部隊傘下の尚武(サンム)フェニックスに所属するソ・ホチョルに関して、首位打者を争っていた2人、KIAタイガース2軍キム・ホリョン(29)とロッテ・ジャイアンツ2軍キム・ジュヒョン(28)のやり取りに、衝撃的な内容が含まれていたことが判明した。
なお、KIAのキム・ホリョンはこの2試合に出場していた選手だ。
事の発端は、KIA 2軍と尚武が対戦した10月8、9日のリーグ最終2連戦。ソ・ホチョルが同日の2試合で、不自然な2度のバントヒットを成功させ、打率0.388とし、フューチャーズリーグの打率部門1位を達成した。
その試合について、ソ・ホチョルに首位打者を取らせるため、尚武側がKIA側にわざと守備を緩くするよう要請したとの疑惑が浮上したのだ。
しかし、疑惑についてKIAと尚武の双方は否定しており、韓国野球委員会(KBO)はこの件について調査中だという。
今回、本紙『スポーツソウル』が入手したメッセンジャーアプリ「カカオトーク」のメッセージ画面は、キム・ホリョンとキム・ジュヒョンのやり取りをキャプチャしたもの。
彼らは2人は、かつて警察野球団でチームメイトだった。
まずキム・ホリョンがキム・ジュヒョンに「仕方なかった」と伝えると、キム・ジュヒョンも「大丈夫だ。仕方がない」と答えている。
そしてキム・ホリョンが「仕組まれた花札(出来レース、八百長の意)だった」と打ち明けると、キム・ジュヒョンはソ・ホチョルのバントヒットに言及。ソ・ホチョルが今季記録したバントヒットは2本で、KIAとの2連戦のみで出たからだ。
その後、事案の重要性を認識していないかのように2人は軽い会話を続けるが、その途中で通話を開始する。
そしてこの通話では、具体的な“談合”の情況について会話がなされた。
キム・ジュヒョンは「(尚武の)パク・チワン監督がKIAに来て、(ソ・ホチョルの)第1打席はバント、第2打席でヒットを打てなければ、第3打席で再びバントする」と話していたという。
またソ・ホチョルの首位打者が確定したあと、ハンファ・イーグルスでチームメイトだったKIAのカン・ギョンハクもキム・ジュヒョンとの通話で、やはり“談合”が疑われるような内容を交わしていたそうだ。
カン・ギョンハクは、「ソ・ホチョルのバントヒットはコースが良かった」としながらも、キム・ジュヒョンの疑惑提起については積極的に否定していない。
キム・ジュヒョンが「パク・チワン監督がKIAに来て、(八百長を)してくれと言ったのか」と問うと、カン・ギョンハクは「お前に(首位打者を)取ってほしかったのに」と話している。
「パク・チワン監督は話さなかったのか」とキム・ジュヒョンが再度質問すると、カン・ギョンハクは「僕には直接話していない」と答え、「私は間で何をしていたのか。ミーティングで言うなと、同じように(守備を)したのだと。漏れたらダメだから。でもこうなると、言わなくても分かるのに…。これにあえて、僕たちが口裏を合わせるなんて。君だけ気分が悪いだろう。すでに上が全て口裏を合わせてやっているっていうのに。どうしよう、我々は…」と告げた。
するとキム・ジュヒョンは、「先輩もどうしようもないでしょう。それをやらなかったとしても、どうにかしてやるつもりだっただろう。私たちも見ながら“これは違うんだけど…”と思った。こんなことをしてはいけないのに…」と反応した。
カン・ギョンハクはこれに対し、「(キム・)ジュヒョンが悔しくて怒っているので、なだめるためにやったんだ。僕は正常に試合をした」と、『スポーツソウル』に釈明したという。
なお、キム・ホリョンに関しては連絡が取れなかった。
選手間の話をまとめると、首位打者になるために記録を“管理”するレベルを超え、“操作”しようとしている状況が見て取れる。
これが事実であるのならば、リーグの公正性と信頼を傷つける重大な事件になりかねず、 KBOの厳正な調査と後続措置が求められる。
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