プレースタイルからそうだ。トッティはASローマで最前線のFWと2列目でプレーメーカーの役割も均等に消化した。
年齢を重ねても高いレベルの競技力を維持している点も似ている。トッティは2017年に満41歳で引退した。引退シーズンでもセリエA18試合、UEFAチャンピオンズリーグ6試合、カップ戦4試合に出場したほど、チームでの存在感が大きかった。
類似点は他にもある。2人ともチームのリーダーということだ。
イ・ドングッは全北選手たちの精神的な支えだ。多彩な顔触れが揃う全北はややもすれば一つにはまとまりにくい可能性もあるが、心配する必要はない。イ・ドングッがいるからだ。
全北のモライス監督は、チーム最高齢のイ・ドングッにキャプテンを任せた。イ・ドングッのリーダーシップを信頼するという意味だ。
トッティは1998年、ローマ歴代最年少主将になって以降、19シーズンの長きに渡ってキャプテンとして活躍し引退した。引退するまで主将の腕章を腕から離さなかった。
イ・ドングッはこの数年間、先発より交代出場が多くなった。チーム最高のスターであるため、プライドに傷がついたかもしれないが、状況を謙虚に受け止め、能力を極大化することに集中している。
昨季、イ・ドングッはKリーグ35試合に出場したが、そのうち交替出場が24回だった。先発は11回に過ぎなかった。それでも11ゴールを決めて、韓国人選手得点ランキング2位になった。
トッティも同じだった。トッティは最後のシーズンに出場した18試合のうち、17試合で交替投入された。出場時間が相対的に減ったものの、黙々と自分の任務を遂行した。
モライス監督はイ・ドングッをハビエル・サネッティに例えている。地道さと誠実さ、なかなか落ちない試合勘と競技力のためだった。サネッティもイ・ドングッと似たキャラクターだが、さまざまな面でトッティのほうが類似しているように見える。