“メガネ先輩”率いる韓国カーリング女子は北京五輪出場権獲得ならず、今大会で残った教訓とは?

女子カーリング韓国代表のチーム・キムが世界選手権終盤で4連勝を記録したものの、惜しくも2022年北京冬季五輪出場権獲得に失敗した。

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チーム・キムは5月8日(日本時間)、カナダのカルガリーで行われたカーリング女子世界選手権の予選ラウンドロビン第13戦で、チェコ相手に7-4で勝利を収めた。同大会予選で6位内に入れば、プレーオフ進出とともに北京行きが決定する重要な大会だった。

そしてチーム・キムはカナダ、アメリカと並んで7勝6敗を記録し、当初は5位タイにつけていたが、予選で両チームに敗れたため、最終的に7位で大会を終えている。

序盤の出遅れが大きく響き…

チーム・キムは同大会の1~4戦でスイス、ロシア・カーリング連盟(RCF)として出場しているロシア代表、アメリカ、ドイツに連敗。しかしそれ以後はスコットランド、イタリアを相次いで倒し、終盤には日本、中国に続いて世界最強スウェーデン、チェコらを相手に4連勝で順位を引き上げたものの、あと一歩が及ばなかった。

(写真提供=世界カーリング連盟)

しかしまだ北京五輪への出場希望は残っており、12月に予定されているオリンピック最終予選を見据えている。北京五輪には世界選手権ベスト6とともに、開催国の中国、最終予選1~3位など計10カ国が出場予定だ。

韓国カーリング連盟は6月22日から代表選抜戦を行い、最終予選に出場する2021-2022シーズンの代表チームを決定するという。2018年平昌(ピョンチャン)冬季五輪銀メダリストのチーム・キムが、北京の舞台にも挑戦するためには、選抜戦を再び通過しなければならない。

この選抜戦でどのチームが代表ユニホームをまとうことになっても、共通して懸念されているのは実戦感覚の回復だ。北京五輪が約9カ月後に迫っているなか、カーリング競技は新型コロナの影響で国際大会の開催が決して順調とはいえない状況に置かれている。今回の世界選手権も新型コロナの影響により、2年連続で予定日に開催できなかったほどだ。

深刻だった実戦感覚の欠如

チーム・キムも代表復帰後は1年余り実戦を行っていなかったため、今大会序盤にその影響が如実に表われていた。

(写真提供=世界カーリング連盟)

何よりもカーリングは、ほかの氷上競技よりも氷の温度、摩擦などの影響が大きい種目だ。人がまばらな空間で練習をしたあと、観客や関係者といった大勢の人が集まる会場に行けば雰囲気はもちろん、氷の温度も変わるためショットへの影響は免れない。

今大会でスキップを務めた“メガネ先輩”ことキム・ウンジョン(30)のドローショット成功率を見ても、序盤の敗れた4試合は33%、86%、81%、39%で安定感に欠けていた。反面連勝を飾った終盤4試合では、71%、90%、79%、94%と本来のショット感覚を取り戻していた。そしてチェコとの最終戦ではテイクアウト成功率がなんと100%だった。

ヤン・ジェボンソウル支庁監督は「今大会は中国(10位)、日本(11位)といったアジア勢の成績が特に良くなかった。ほかの大陸と比較しても実戦感覚の差が目立った」と指摘し、「予選1位(12勝1敗)だったスイスはチーム数も多く、カーリング関連のインフラが整っている。スウェーデン(3位)やデンマーク(4位)など、ほかのヨーロッパ勢も同様に、実戦を行う機会が多い」と大陸間の競技レベルについて言及。

(写真提供=世界カーリング連盟)

「コロナ禍でなければアジアのチームはスイスなどでトレーニングを行うが、それができない」と懸念を示した。カーリング連盟は北京五輪を控え、男女、ミックスダブル代表チームにおける実力向上への対策が必要だという声が出ている。

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