2月20日、駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場にてFリーグ2020-2021ディビジョン1第4節、フウガドールすみだと名古屋オーシャンズの試合が行われた。
試合はファーストピリオド11分に鬼塚祥慶の左サイドからのボールを岡村康平が詰めて、フウガドールすみだが先制。直後にも岡村康平がこぼれ球をゴールネットに突き刺し、リードを広げる。さらに13分には宮崎曉がドリブルからゴールを決め、フウガドールすみだが3点をリード。対する名古屋オーシャンズは17分に八木聖人が1点を返して、ファーストピリオドを終える。
名古屋オーシャンズはセカンドピリオド23分に水谷颯真がループシュートを決め、27分には平田・ネト・アントニオ・マサノリがゴール前でボールを受け反転し、GKをかわしてゴールネットを揺らして同点に追いつく。31分にはキックインからオリベイラ・アルトゥールが、ダイレクトで右足を振り抜いて決め、逆転する。
フウガドールすみだは1分14秒を残し、中田秀人をGKのユニホームで投入しパワープレーを仕掛け、試合時間残り5秒で相手コートでキックインのチャンスを得て、タイムアウトを取る。そのキックインで森村孝志がゴールに向けて左足を振り抜いたボールが相手のオウンゴールを誘い、フウガドールすみだが同点に追いつき、試合は4-4の引き分けに終わった。
試合後、名古屋オーシャンズ・フエンテス監督は、「前半から私たちは悪くない内容であった」とし、「もちろんゲームプランとしては、まず先制点を取るというということはあったが、どんどん相手の流れにのまれてしまって、そこでタイミング良く相手のゴールが入っていったという状況であった」と述べた。
続けて「うまく相手のプレスの回避もできていたし、フィニッシュの状況までは持っていけたが、そこでの最後のパスやフィニッシュのところが、上手くいかなかった。やはり負けている状況だったので取り直さなければいけないという焦りもあったと思う」と前半を振り返った。
ハーフタイムには、「もちろん戦術的な修正もしたが、どちらかというと気持ちの切り替えのところ。前半、上手くボール持つところで持てていたときもあったので、ゲームの主導権を握れていたような感じだが、フィニッシュが雑だった。ボールを持てている感覚がフィニッシュの緩さであったり、ディフェンスでの攻守の切り替えでの油断であったりにつながってしまっていたので、一度リセットして気を引き締めた」という。
さらに、「ゴール前でのチャンスを徹底的に決めないと、今日のゲームのようになる。特にプレッシャーの強いチームには、そういうところで差を出していかないとゲームを動かせない。リセットしてもっとゲームをシビアに見ていこう」と感覚の部分を高めて後半に入ったことで、「前半が良い薬になり、後半はラストパスをより丁寧に出すようになったし、プレッシャーもよりきくようになった。相手のミスも誘うこともできて、後半は先手を打つことができた。その流れで自然に守備から攻撃に移行して得点が取れたシーンもあった」と説明した。
相手のパワープレーでも、「いいディフェンスをしていたなか、最後の5秒で残念ながら失点をしてしまった。相手の戦術が上手かったこともあるが、私たちも残り5秒なら、ああいう一か八かの作戦に入ると思う。ゴール前であれだけ多くの選手がいるところに蹴り込まれたら、事故的なゴールもある。不運なところもあったと思う。あくまでディフェンスが悪かったということは感じない」と評価した。
全体的にも、「前半から後半にかけて、ゲームのなかでどんどん向上していったので、次につながったゲームを引き分けたなかでもできた。相手も非常に気持ちが入っていたし、ゲーム戦略もしっかり立てていたので、同点であったのは公平であったと感じる」と述べた。
一方の、フウガドールすみだ・須賀雄大監督は、3点のリードを奪えたことについて、「3点取れたのは非常に決定力があって良かったと思うが、名古屋にも相当チャンスが来ていたのを、大黒章太郎がストップしていた。そういったことでの3-0だったので、実際この点差というのを必要以上に意識せずに、自分たちがやるべきことをやっていくというのが、とても大事だと思っていた」と話した。
後半については、「名古屋は前半の分、思いっきり借りを返すつもりで、圧力をかけてくると思っていたので、なるべく受けに回りたくないという気持ちも含めて、よりアグレッシブにプレーしようという話をしたが、あの強度のプレスに対して、全員がてこずった」とし、「やはり名古屋というチームはひとつ違うレベル。グループとしても個としてもプレスの強度を持っている。そこをかいくぐって行くことが出来れば、逆に追加点を取れていたと思う。そこが一番大きな宿題」とコメントした。
(文=玉 昌浩)
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