かつて日本で活躍した“韓国人Jリーガー”は、今どこで何をしているのだろうか。
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1993年のJリーグ開幕以降、日本では多くの韓国人選手がプレーしてきた。2008年にアジア枠が設けられてからはその数もさらに増加。その系譜は今も続いているが、気になるのは“彼らのその後”だ。
今回は、ガンバ大阪を経て欧州へと飛躍したストライカー、ファン・ウィジョの現在を紹介しよう。
ガンバ大阪では2年間と比較的短い在籍だったが、2年目の2018年シーズンには6戦連続ゴールを含む通算16得点でJリーグ得点ランキング3位になり、ベストイレブンにも選出されたファン・ウィジョ。
2019年シーズン途中にガンバ大阪を退団した彼は現在、フランスのリーグ・アン(1部リーグ)に属するジロンダン・ボルドーに所属している。
ガンバ大阪在籍時から海外からの誘いが絶えず、に中国や中東、アメリカからも高額オファーもあったというが、「例え年俸が下がってでも欧州に行く」という断固たる決心で完全移籍したのが、ボルドーだった。
だが、欧州1年目は序盤から苦戦が続いた。
ディジョンとのアウェー戦(2019年8月25日)で待望の初ゴールは決めていたが、チームの状況もあって2列目で起用されたり、若手の台頭でベンチに燻ることもあった。
風向きが変わったのは2020年2月のパリ・サンジェルマン(PSG)戦。フランスの絶対王者相手にヘディングゴールを決めて存在感を示した。
その後リーグ・アンは新型コロナウイルス感染症の影響で早期中止となってしまったが、終わってみれぱファン・ウィジョはフランス1年目で24試合に出場し6ゴールを決めた。
本人が目標にしていた“2桁ゴール”とはならなかったが、現地記者からも「ボルドーがこれまで獲得した選手の中でも最高の一人」と評価され、順調なデビューシーズンとなった。
現地記者が感嘆したのはそれだけではない。
「日本人がファン・ウィジョのユニホームを買うためにボルドーをたくさん訪れた」と、ガンバ大阪のサポーターたちがファン・ウィジョを応援するためにボルドーにやってきたことに、驚きを隠さなかった。
「日本ではクラブで活躍すると、ファンはその選手を忘れられない。それで多くのガンバ大阪のファンがファン・ウィジョを見るためにボルドーまで来たはずだ」としつつ、「ファン・ウィジョも申し分ないし、素晴らしい選手だ」という現地記者の報道は韓国にも伝わり、ファン・ウィジョとガンバ大阪サポーターの絆の強さを改めて再確認させた。
そうした声援を背にフランス2年目のシーズンに向けて着々と準備を進めているファン・ウィジョ。
ソン・フンミンらとともに2018年アジア大会で金メダルを獲得して兵役免除の恩恵を得ているファン・ウィジョは、新型コロナでシーズンが早期終了したこともあって韓国に帰国し、兵役免除者に義務付けられている4週間の基礎軍事訓練も受けている。
基礎軍事訓練はソン・フンミンも受けたことで日本でも話題になったが、海兵隊で訓練を受けたソン・フンミンに対し、ファン・ウィジョは陸軍訓練所・第25連隊第5中隊第1小隊で訓練を受けたという。
すでに韓国を出国してフランスに戻り、6月22日から再開されるボルドーのチーム練習に向けて準備を進めているファン・ウィジョ。
リーグ・アンの新シーズンは8月23日に開幕予定だが、コロナ禍で迎えるフランス生活2年目のシーズンはどんな活躍を見せるだろうか。
振り返ればガンバ大阪でゴールを量産したのはJリーグ2年目のシーズンだった。フランスでもその再現が期待されるのは、言うまでもないだろう。
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