侍ジャパンとの対戦を控えた野球韓国代表の投手ムン・ドンジュ(21、ハンファ・イーグルス)が、「なぜ日本が“野球強国”なのか、一目でわかった」と素直な思いを吐露した。
韓国代表は来る11月8~9日にソウルの高尺(コチョク)スカイドームでチェコ代表、15~16日に東京ドームで侍ジャパンとの強化試合を行う。
チームは今月2日よりトレーニングを開始しているが、韓国シリーズを戦ったハンファ・イーグルス、LGツインズの両球団選手は4日より途中合流した。レギュラーシーズンより体力的・精神的にハードなポストシーズンを終えたばかりの選手たちに、一定の休養期間が与えられたわけだ。韓国シリーズはLGが2年ぶり4度目の制覇。ハンファは19年ぶりに韓国シリーズ進出を果たしたが、1999年以来26年ぶり2度目の戴冠とはならなかった。
4日の合流日に報道対応したムン・ドンジュは明るい表情で「友人とも会ってゆっくり休んだ」とし、「個人的には、シーズン通して万全のコンディションを維持できる投手は多くないと思っている。監督がおっしゃったように、肩に大きな問題はない」と状態を伝えた。
自身初のプレーオフではMVPを獲得する活躍を見せたが、韓国シリーズ第5戦では先発登板するも1回1失点で早期降板という不安の残る内容だった。ファンの間では疲労やコンディションを懸念する声も上がっていたが、至って本人は前向き。「初めての秋の野球(ポストシーズン)だったが、面白い野球を毎年したいと思った。なぜ皆が“秋の野球”を目指すのかを肌で感じた」と振り返った。
韓国プロ野球を代表する選手たちが集った代表チームの雰囲気については、「久しぶりに会う先輩も多く、シーズン中に球場で顔を合わせた選手もいる。ともに良い経験をしてきたメンバーも多く、良い雰囲気の中で練習できている」と語った。
韓国プロ野球KBOリーグは2年連続で観客動員1000万人を突破し、“国民スポーツ”としての地位を確立した一方、近年は国際大会で低迷にあえいでいる。2013年、2017年、2023年と直近3大会連続で1次ラウンド敗退に終わっているWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)への意気込みを問われたムン・ドンジュは、目を輝かせながらこう答えた。
「(WBCは)すべての野球人が抱く夢だ。WBCのために集まった代表チームだろう。昨日の戦力分析で感じたのは、相手チームの選手たちがとてつもなかったということ。誰もが名前を聞いたことのあるような選手ばかりだった。一生懸命準備したい」
来年3月のWBCの1次ラウンドでは、今回強化試合を行う日本との対戦も控えている。ロサンゼルス・ドジャースのワールドシリーズ2連覇を導いた大谷翔平、山本由伸、佐々木朗希の“日本人三銃士”の活躍や影響力を考えると、日韓野球の格差は日増しに大きくなっていると言える。
ムン・ドンジュも「日本の野球は本当に違う」と切り出すと、「選手たちのプレーを見てもそうだが、なぜ日本が“野球強国”なのかが一目でわかるほど、感じるものが違った。(日本の)特定の選手と対戦したいというよりは、日本を相手に戦ってみたいという気持ちが大きい」と意欲をのぞかせていた。
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