韓国ラグビー協会、高校全国大会を直前に「15人制→7人制」へ変更。「選手のメンタル崩壊」「一方的な決定」と批判殺到

2025年08月05日 スポーツ一般 #ラグビー

韓国ラグビー協会が主催する全国ラグビー大会の日程および競技形式が事前の告知なく変更され、現場の指導者および選手、保護者の間で混乱が広がっている。

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韓国ラグビー協会は去る7月21日、協会の公式ホームページを通じて「第52回文化体育観光部長官杯 全国ラグビー大会」の日程および試合形式の変更を発表した。

注目を集めているのは、協会の年間計画で「15人制」と予告されていた「18歳以下の部(高校の部)」の競技形式を、突如として「7人制」に変更した点だ。この変更が、トレーニングシステムや入試準備全般にまで影響を及ぼすという指摘が上がっている。

また、協会は当初8月16日から開催予定とされていた「文化体育観光部長官杯 全国ラグビー大会」の「15歳以下の部(中学の部)」「18歳以下の部」の大会日程について、7月21日時点では公式ホームページに「下半期の予定」とだけ記載。その1週間後の7月28日に、大会の日程を「8月9日から4日間」、会場をソウルの「陸軍士官学校 乙支(ウルチ)球場」で確定したことを発表した。

「選手のメンタルが崩壊」

「18歳以下の部」の競技形式が15人制から7人制へ変更されたことは、現場にその旨の事前通知や説明が一切なかったとされている。何より、大会開催まで1カ月も残っていないタイミングでの“一方的な通達”が、現場の不満を増幅させている。

「文化体育観光部長官杯」は、「15歳以下の部」「18歳以下の部」「大学の部」「一般の部」と全世代が参加する韓国国内におけるラグビーの主要大会のひとつ。特に「18歳以下の部」の出場高校にとっては、夏休み期間に競技力向上に励み、同大会での入試実績獲得の両面を目指す重要な大会として位置づけられてきた。

このため、今回の大会日程および競技形式の変更は、単なる協会内における調整にとどまらず、選手の進路やトレーニングシステムに重大な影響を及ぼす決定として問題視されている。

とある地方の高校ラグビー部指導者は、「年初から15人制に合わせて練習計画を立て、戦術の練習もすべて終えたが、突然の7人制への変更によって選手たちのメンタルが崩れてしまった」と吐露。「入試にも影響する重要な時期に、協会がこのような形の決定を下すとは本当に困惑している」と語った。

ラグビー
(写真=韓国ラグビー協会)

15人制と7人制は戦略設計から選手構成、トレーニングシステムまですべてがまったく異なる競技だ。国際的にはオリンピックやアジア大会で7人制が採用されているものの、韓国では全般的に選手数が多くなく、15人制と7人制を分離して運営するのが現実的に難しい。

にもかかわらず、韓国ラグビー協会は「酷暑期における学生選手の安全確保」を理由に、日程と競技方式の変更を一方的に決めてしまった。

現場からは、「夜間開催や試合時間の調整など、代替案はいくらでもあったのに、協会が十分な意見収集もなく一方的に決定を下した」との反発が上がっている。

「現執行部は原則も規定もない」

問題は競技形式の変更だけではない。

今年1月に行われた第25代韓国ラグビー協会長選挙において、現在の協会執行部は「全国忠武旗大会を復活させ、今年8カ月以内に5大会に拡大する」と公言した。ところが、今回の「文化体育観光部長官杯」の日程変更によって、結局は既存の4大会のみが実施される形となった。

とあるラグビーチームの関係者は、「韓国ラグビー界の一部では、協会内の意思決定構造に対する憂慮を提起している」としてこう続ける。

「実際、今回の大会日程変更は協会傘下の大会委員会の議論を経て決定したと伝えられているが、その委員会は実質的な予算や執行権限を持たない諮問機関に過ぎないことがわかった。結局、主要な決定を実行する責任がない組織が、このように重大な事案を主導したわけだ」

また、同関係者は「普通は一つの大会を開催するのに約1億ウォン(日本円=約1066万円)の予算がかかるが、協会自体の予算ではこれに耐えられない現実の中で、開催地の地方自治体が支援したり、協会長個人が財政負担を全面的に負う形態が繰り返されている」と指摘。「これは過去の協会長任期中における途中辞任、弾劾が反復的になされてきた事例とも繋がる部分だ」と懸念を示した。

韓国ラグビー界の関係者たちは、「今回の事態は単なる日程のミスとみなすことはできない」と声を高める。とある関係者は「韓国ラグビーがさらに発展するためには、競技形式の多様化よりも先に、運営や決定プロセスの信頼を回復することが優先だ」と話す。

また、「前任の執行部は理事会中心に、重要な意思決定や予算執行の透明性を高め、競技環境の回復などのために最小限努力する姿を見せていた。だが、現在の執行部は原則も規定もなく、どんぶり勘定式に運営されていた過去に戻ってしまったようだ」と失望をにじませていた。

韓国ラグビー協会は、愛知県名古屋市出身の在日コリアン3世でOK金融グループ会長のチェ・ユン氏が2021年2月から第24代会長を務めていた。

ただ、今年1月に行われた第25代選挙では、過去にソウル市ラグビー協会長や韓国ラグビー協会副会長を歴任したシム・ヨンボク氏が、指導者・選手・審判など投票者95人中60票を得て新会長に就任。任期は2029年までの4年間となっている。

(記事提供=OSEN)

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