ぎこちなさもあったが、真剣に試合に臨んだ。
5カ月ぶりに“一時的な失業”から脱出することになった選手たちは、豪快なティーショットで息苦しさを吹き飛ばした。
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日本やアメリカに先駆けて、韓国のプロゴルフツアーが再開された。韓国女子プロゴルフ協会(KLPGA)が徹底的な防疫を最優先課題としながら、京畿道・楊州(ヤンジュ)のレイクウッドカントリークラブ(パー72)で第42回「KLPGAチャンピオンシップ」(賞金総額30億ウォン=約3億円)を開催した。
ディフェンディングチャンピオンのチェ・ヘジン、昨シーズン「新人王」のチョ・アヨンジョアヨンなど韓国女子ツアー選手だけでなく、世界ランキング3位のパク・ソンヒョン、2019年の全米女子オープンを制したイ・ジョンウン6、世界ランキング6位のキム・セヨン、“スマイルキャンディ”イ・ボミなど、アメリカと日本で活躍中の選手ら150人が出場した。
韓国・ソウル市内の繁華街、梨泰院(イテウォン)にあるクラブから始まった集団感染による脅威が広がるなか、徹底的な防疫が行われた。
選手たちはクラブハウスだけでなく、コース内でも手消毒剤とマスク着用などの衛生管理準則を徹底的に守らなければならなかった。当然、観客もいなかった。選手たちは無観客試合にぎこちない表情も見せたが、実戦感覚が低下したことを確認した瞬間、ショットの1本1本に集中し始めた。
静かな雰囲気で進行された大会初日を終え、日本で活躍するペ・ソンウをはじめ、キム・ジャヨン2、ヒョン・セリンが5アンダー(67打)の3人が首位タイに立った。
午前の組に編成され、早目にラウンドを終えたペ・ソンウは、「ギャラリーの反応で自分のボールがグリーンに乗ったのか、ピンに寄ったのかを推測したりするのだが、それがわからなかった」と笑った。
ペ・ソンウは「3日も練習しなければ感覚が落ちるのに、(韓国に入国後に自己隔離で)14日間もクラブを持たなかったことを心配していたが、意外にも成績が良かった」と驚きながら、「いい結果を期待せずにリラックスしたことが良かったようだ。優勝のチャンスがあれば、狙わなければという考えだ」と意欲を隠さなかった。
去る4月24日に日本から韓国に入国して2週間の隔離を行い、解除から6日後の実戦だったが、驚くべきショット感覚を誇った。隔離期間を思い出したペ・ソンウは、「(大会に出場してみると)ようやく息ができるようだ」と喜んだ。
首位タイの3人に続き、チョ・アヨンが4アンダーで4位タイ、パク・ソンヒョンやチェ・ヘジンが3アンダーで7位タイとなった。
久しぶりに韓国の大会に出場したイ・ボミは、83位タイのスタートとなったが、「消毒と防疫を徹底してくれ、新型コロナに対する怖さはない。会場全体が徹底的に管理されているため、不便な点があるが、すべての選手がしっかりと守って国内初の大会が無事に行われれば、次の大会もできると思う。みんながしっかり守ってくれれば」と、“お姉さん”らしい要請を伝えた。
実際に今大会は、韓国で実践されてきた高強度のソーシャルディスタンス(社会的距離)を保つ政策を彷彿とさせるような防疫対策で注目を集めた。
駐車場から降りた直後から問診票を作成し、体温を測り、紫外線殺菌を終えてから選手ラウンジに入ることができる。ロッカーにはキャディだけが出入りでき、レストランでも“一人ご飯”が義務だ。
キャディはマスクをとることができず、取材陣の動線も徹底的に制限された。
ハイタッチや握手の代わりに、肘や拳を当て合うセレモニーが散見されるなど、選手や関係者全員が“初大会の無事”を願う思いを隠さなかった。
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