韓国サッカー界の芝問題が深刻だ。今や代表戦の試合会場でさえも“ピッチ不良”に陥っている。
韓国サッカー協会(KFA)は3月7日、来る22日に水原(スウォン)ワールドカップ競技場で開催予定だったコリアカップ2回戦の水原三星(スウォン・サムスン)ブルーウィングス対ソウルイーランドFCの試合を、19日に日程変更することを発表した。
試合は「22日14時キックオフ」から「19日19時30分キックオフ」となる。
試合が前倒し開催となった理由について、KFAは「最近の異常低温の影響が長引くなかで、水原ワールドカップ競技場管理財団を6日に現場会議を開いた。3月15日から3月末まで4試合を準備中の財団側の意見などを参考にし、日程変更を決定した」と説明した。
財団は昨年10月に張り替えた水原ワールドカップ競技場の芝を、水原三星のホームゲーム及び韓国代表のAマッチに向けて最適な状態に維持しようとした。ただ、予想以上に低温が続いたことで芝の根付きが遅れている状況を懸念し、管理の難しさを訴えていた。
KFA関係者は「例年であれば3日間隔での試合日程は大きな問題にならなかったが、今回は異常低温の長期化という予期せぬ部分があった。平日の試合に変更となり、水原三星とソウルイーランドFC、そして両チームのファンにご迷惑をおかけすることを遺憾に思う」と伝えた。
また、「ホームチームの水原三星はファンの観戦の利便性を考慮し、当初の日程(22日)の維持を希望したが、協会は芝管理に関する財団側の説明と立場を尊重し、状況を総合的に判断した結果、水原三星と協議の上で日程変更を決定した」としている。
水原三星の意向に反して日程が変更された決定的な理由は、ソウルワールドカップ競技場の芝問題だ。現在、ソウルワールドカップ競技場の芝は一部が剥がれ、凍結しており、正常に試合開催が困難な状態にある。
今月3日に行われたFCソウル対金泉尚武(キムチョン・サンム)のKリーグ1第3節でも、選手が芝に足を取られて転倒し、ボールが予測不能な動きをする場面が見られた。FCソウルの元イングランド代表MFジェシー・リンガード(32)も試合後、自身のSNSでピッチ不良を指摘した。
ソウルワールドカップ競技場を管理するソウル施設公団は、来る3月29日に予定されている次のFCソウルのホームゲームまでに、会場の芝を緊急復旧すると伝えている。
こうしたソウルワールドカップ競技場の状況を受け、KFAは3月に韓国国内で行われる北中米W杯アジア最終予選の2試合を、従来ホームとして使用してきたソウルワールドカップ競技場ではなく、高陽(コヤン)総合運動場と水原ワールドカップ競技場で開催することを決定した。
3月の国際Aマッチは20日に高陽総合運動場でオマーン戦、25日に水原ワールドカップ競技場でヨルダン戦が行われ、試合はいずれも20時キックオフだ。
そのため、仮にコリアカップ2回戦が予定通り22日に行われると、その3日後にヨルダン戦が開催されることになるため、KFAは水原ワールドカップ競技場のピッチコンディションを考慮し、試合を3日前倒しする決断を下した。
とはいえ、この決定を水原三星とソウルイーランドが快く受け入れたわけではない。両チームは今回の日程変更によって、15日にリーグ戦を行った後、中3日でコリアカップ2回戦を迎える過密日程をこなさなければならなくなった。
(記事提供=OSEN)
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