2024年シーズンの韓国女子プロゴルフ(KLPGA)ツアーで最も輝きを放ったのは、不正行為による出場停止処分から復帰したばかりの21歳だった。
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31大会、史上最大規模の賞金総額約332億ウォン(日本円=約36億3048万円)で行われた2024年シーズンのKLPGA正規ツアー(1部)は、11月8~10日に開催された「SKテレコム・SKスィルドスチャンピオンシップ2024」をもって全日程が終了した。
今季の正規ツアーでは、主要な個人タイトルである大賞(年間MVP)、賞金女王、平均ストローク賞をめぐって熾烈な接戦が繰り広げられた。シーズン中盤以降はユン・イナ(21)、パク・ジヨン(28)、パク・ヒョンギョン(24)の三つ巴となり、最終戦「SKテレコム・SKスィルドスチャンピオンシップ2024」までタイトルの行方がもつれ込んだ。
その結果、ユン・イナが大賞、賞金女王、平均ストローク賞のすべてでほか2人を寄せ付けず、堂々と3冠王に輝いた。
ユン・イナは今季、25大会に出場して21大会で予選通過。優勝は8月に行われた「第11回済州三多水マスターズ」の1回のみだったが、2位入賞4回、3位入賞3回、トップ10入り14回と抜群の安定感を披露した。
賞金部門では12億1141万5715ウォン(約1億3243万円)を獲得し、11億3319万6561ウォン(約1億2388万円)で2位のパク・ヒョンギョンと約7800万ウォン(約852万円)もの差をつけた。
大賞部門でも535ポイントを記録し、503ポイントで2位のパク・ヒョンギョンを32ポイント差で離した。平均ストローク部門では70.0526打とし、70.1772打で2位のパク・ジヨンを上回った。
ユン・イナは今季、「不正行為による出場停止処分」から復帰した最初のシーズンだったが、1年間のブランクを感じさせないパフォーマンスを見せた。
彼女が犯した不正行為とは、去る2022年6月に行われた「DBグループ・第36回韓国女子オープン・ゴルフ選手権大会」第1ラウンド中の“誤球プレー”だ。
当時、彼女は自身のティーショットで右にそれた球をラフで発見したと判断し、そのままプレーを続行した。ただ、実際には自身がマークした球ではなく、まったく別の球でプレーを続けていたのだ。
にもかかわらず、ユン・イナは誤球プレーをした事実を大会後1カ月間報告せず。結局、同年7月に遅れて韓国ゴルフ協会(KGA)に申告したものの、KGAよりKGA主催大会への3年間の出場停止処分、さらにはKLPGAよりKLPGA主管・主催の全大会への3年間の出場停止処分が下された。
このため、2023年シーズンは正規ツアー、下部ツアーを問わず1年間公式戦に出場しなかったが、出場停止期間に行った約50時間の社会奉仕活動、さらにはファンによる3500件近い嘆願によって今年1月に出場停止期間が「3年」から「1年6カ月」へと減免。これにより、2024年シーズンから正規ツアー復帰を果たしていた。
そうして表舞台に返り咲き、見事三冠を達成したユン・イナ。来季は米国女子ツアーに挑戦する意向で、Qシリーズ(予選会)に出場する予定とされている。
なお、新人賞は2005年生まれのユ・ヒョンジョ(19)が受賞した。ユ・ヒョンジョは今季出場した28大会中27大会で予選を通過し、トップ10入りを9回達成。9月のメジャー大会「KB金融スターチャンピオンシップ」では初優勝も成し遂げた。
このような活躍によって、新人賞部門で2334ポイントを獲得。1581ポイントで2位のイ・ドンウン(19)を大きく突き放し、一生に一度だけ受賞のチャンスがある新人賞に輝いた。
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