焼酎やマッコリで知られる韓国のお酒事情、コロナ禍で人気が急騰したのは“第3世界”のワイン

2021年04月19日 社会 #食品

2020年の韓国では、ワインの輸入量が過去最大値を記録していたそうだ。新型コロナ禍が長期化するにつれ、“家飲み”需要が増加。アメリカ、チリ、フランスのみならず、スロベニア、アルゼンチンといった第3世界のワインが人気を集め、輸入先も多様化する傾向にあるそうだ。

関税庁輸出入貿易統計が4月19日に発表したところによると、2020年のワイン輸入量は3万4480トン、輸入額は2億1336万ドル(約231億4000万円)を記録。この輸入額は2019年に比べて32.4%増加しており、ここ5年間で最も高い伸び率だという。 2016年の1億2672万ドル(約137億5000万円)に比べると、68.4%も増加している。

韓国のワイン輸入額が史上最高額を更新した中、これまで馴染みの薄かったワインへの関心が高まり、第3世界のワインが人気を集めている。

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アルゼンチン、スロべニアのワインが人気

アルゼンチン産ワインの国内輸入額は前年比約42%増の730万ドル(約7億9100万円)を記録し、史上最高の業績を達成している。アルゼンチンワイン協会によると、アルゼンチンを代表するマルベック種のワインが韓国市場への輸入された額は、この5年間で年平均15.9%ずつ成長し、2020年は365万ドル(約3億9600万円)を記録。前年比55.3%の伸び率を記録したそうだ。

事実、ロッテ七星(チルソン)飲料が取り扱っているアルゼンチン「TRIVENTO」のワインは、2020年に史上最大の実績を上げ、国内ワイン市場にアルゼンチン産ワインブームを巻き起こした。

(写真提供=ロッテ七星飲料)

ロッテ七星飲料が2017年末に韓国市場に投入した「TRIVENTO」のワインは、口コミでマニアの間でまたたく間に流行。2020年末、ロッテグループの流通系列企業と共同企画して披露された「トリヴェント・リザーブ・リミテッドエディション」などの人気に後押しされ、昨年1年間で約23億4000万ウォン(約2億3400万円)の売上を記録したという。本格的な販売が開始された2018年と比較して、5倍増の売上高だ。

アルゼンチンワインはマルベック品種を筆頭に、カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネなどの品種をブレンドしたワインを主に生産している。アルゼンチンは、世界5位のワイン生産量を記録しているが、類似店の多いチリに比べ、韓国市場での認知度は高くなかったにもかかわらず、新型コロナによる家飲み、1人酒の増加および多様性を追求する消費者の好みによって認知度が急上昇している。

韓国でワインの輸入などを行っている企業「NARA CELLAR」は、南アフリカ共和国など第3世界ワインの人気にともない、最近ではスロベニアの「Maro Cellar」から2種類の白ワインを発売。「Maro Cellar」は、スロベニアのシュタイエルスカ地方で17~18世紀からワインを作っているMURSA(ムルサ)とOZMEC(オズメック)が合作したブランドだ。

NARA CELLAR関係者は「最近、韓国の消費者の間で第3世界のワインに関心が高まっている。軽快な酸味のスロベニア白ワインなど、新しいスタイルのワインが人気」と語っている。

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