経営権を継承するため、不当にグループ傘下企業を合併した疑いで起訴されたグループトップ/サムスン電子のイ・ジェヨン会長が、控訴審でも無罪を言い渡された。
ソウル高裁・刑事13部は2月3日、資本市場法違反(不正取引行為、相場操縦)、業務上背任などの疑いで起訴されたイ会長に無罪を言い渡した。
裁判所は、「サムスン物産と第一毛織の合併比率や合併時期の適正性」「サムスンバイオロジクスが、サムスンバイオエピスをどの程度支配していたのか」などを争点として順次判断し、検察の主張をすべて棄却した。
そして、今回の事件で最も大きな争点だったサムスンバイオロジクスの虚偽公示・不正会計疑惑に対しては、「(バイオジェンの)コールオプションが行使されれば、ロジクスがエピスに対する支配力を失うリスクがあったため、本来は公示すべきだったと見る」と指摘しながらも、「隠蔽したとは見られない」と結論付けた。
また、サムスン物産と第一毛織の合併報告書が、イ会長の経営権継承のために操作されたという検察の主張も受け入れられなかった。
同じく起訴されていたチェ・ジソン元サムスングループ未来戦略室長、キム・ジョンジュン元未来戦略チーム長、チャン・チュンギ元未来戦略室次長ら13人の被告に対しても、一審と同じく全員無罪とした。
イ会長らは、2015年の第一毛織とサムスン物産の合併過程で、サムスン社内の未来戦略室が関与し、不正取引や相場操縦、会計不正を行ったとの疑いで2020年9月に起訴されていた。しかし、一審裁判所は 2023年2月に李会長に無罪判決を言い渡しており、今回の控訴審でもその判断が維持される結果となった。
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