韓国の大手IT企業「カカオ」が手がける相乗りアプリ「カカオ相乗り」の導入に関して、再び残念なニュースが伝えられた。
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昨年12月にタクシー運転手が同サービス開始に反対し、国会前で焼身デモを行って死亡したが、さらにもう一人の犠牲者が出たのだ。
それによりカカオと韓国政府、タクシー業界間における解決策の模索は、さらに困難になると見られる。一部ではこのまま葛藤が続けば、タクシー業界の大規模集会など反発はさらに強まるとの憂慮も出ている。
関連業界によると1月9日午後6時頃、ソウル光化門広場近くの道路でタクシー運転手のイム氏(65)がカカオ相乗りサービスに反対して、焼身デモを行った。全身にⅡ度の火傷を負ったイム氏は病院に運ばれて治療を受けたが、死亡した。昨年12月10日に同じように焼身して死亡した、タクシー運転手チェ氏(57)に続き2人目だ。
警察と消防当局は、イム氏の車から油類の容器が発見された点と、イム氏が同僚たちに録音ファイル形式の遺書を残していた点を挙げ、自ら焼身デモを行ったと推定した。
タクシー団体の関係者などによると、イム氏が残した遺書には、巨大IT企業であるカカオの運送業進出を懸念する内容と、カカオ相乗り導入に反対する旨の内容が盛り込まれていたという。
全国タクシー労働組合連盟、全国民主タクシー労働組合連盟、全国個人タクシー運送事業組合連合会、全国タクシー運送事業組合など韓国タクシー4団体による緊急対策委員会は、2人目の焼身デモ事件が発生したことで、カカオ相乗り導入に最後まで反対する意志をより強く示した。
緊急対策委員会の関係者は、「またも不幸な事故が発生したのには、政府とカカオの安易な行動の責任が大きい」とし、「私たちは早速共同対応に乗り出してカカオ相乗り反対闘争を最後まで続けるつもりであり、必ず(相乗り導入を)制止する」と強調した。
今回の焼身デモについてカカオの関係者は、「残念な事件が発生したことに対して、深い哀悼の意を表する。相乗りサービスの懸案についての議論が速やかに行われることを望む」と述べた。
カカオ側は、タクシー業界との対話を通じて問題解決に積極的に乗り出す姿勢を示してきた。しかしタクシー業界との対話はいつも失敗に終わり、焼身デモ事件まで相次いで発生したことで、カカオ相乗りサービスの開始はさらに不透明となった。
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