新人たちが作り出す“逆転勝ち”ほど刺激的なものはない。
『ラケット少年団』(2021)から『少年時代』(2023)、『ピラミッドゲーム』(ともに原題)まで。新人の活躍に彼らを発掘して起用した監督も、彼らを見る視聴者も興味深い今日この頃だ。
新人を大勢起用した作品が相次いでヒットを記録している。少し前だと『ラケット少年団』が、最近では『少年時代』と『ピラミッドゲーム』がいい例だ。
作品の中心には有名な俳優がいるとしても、共にする周りのキャラクターを新鮮な顔が埋めつくし、その興味が好奇心に発展して作品のヒットと俳優に対する関心に発展することになるという点で2度おいしい。
2021年に放送された『ラケット少年団』は俳優キム・サンギョンと女優オ・ナラが中心だったが、物語をリードしていくのはバドミントン部の少年たちだった。
バトミントン部の構成はタン・ジュンサン、ソン・サンヨン、チェ・ヒョヌク、キム・ミンギなどで、当時は顔があまり知られていない新人俳優だったが、この作品をきっかけに視聴者たちの目に留まり、“旬の”俳優として浮上した。
刺激的なことはなく、ささやかに流れていくストーリー、若手たちの純粋で愛らしい魅力は、疲れた視聴者たちに癒しを与えた。
その結果、最高視聴率6.2%、2021年の「SBS演技大賞」5冠王(男子青少年演技賞(タン・ジュンサン)、女子青少年演技賞(イ・ジェイン)、男子新人演技賞(ソン・サンヨン、チェ・ヒョヌク)、女子ベストキャラクター賞(オ・ナラ)、チーム部門助演賞)にノミネートされた。
続けて『少年時代』がバトンを引き継いだ。
昨年公開された『少年時代』で見慣れた顔はイム・シワンとイ・ソンビンぐらいだ。彼らと主演でキャスティングされたイ・シウ、カン・ヘウォンをはじめ、物語を率いるほとんどの俳優たちが初めて見たり、見慣れない顔でいっぱいだった。
「新人だらけで興味がそそられない」といった反応は杞憂に過ぎなかった。
むしろ高いキャラクターの理解度を土台に、安定した演技を繰り広げた役者たちが誰なのか気になるような反応があふれ、その結果、『少年時代』は最終話まで視聴量が2914%も上昇し、6週間連続Coupang Play人気1位となった。
さらに今は『ピラミッドゲーム』もある。
宇宙少女のボナとしても活躍中のキム・ジヨンだけが『ピラミッドゲーム』では見慣れた顔だ。
しかし、キム・ジヨンもやはり「ボナ」ではなく俳優としての「キム・ジヨン」として出演しているため、一般大衆には馴染みがなかった。
チャン・ダア、シン・スルギはそれぞれ「チャン・ウォニョンの実の姉」、「『脱出おひとり島2』の出演者」として聞きなれていたため、俳優デビューに憂慮の視線もあった。
しかし、彼女たちが成し遂げた記録は、“逆転勝ち”だった。
ウェブトゥーンから出てきたようなシンクロ率への称賛から、演技に対する好評が相次いでいる。そして『ピラミッドゲーム』は最後までTVING週間有料加入期間1位を記録し、熱い人気を証明した。
新人を大勢起用し、痛快な逆転勝ちを成し遂げた『ピラミッドゲーム』のパク・ソヨン監督は「作品自体の心理変化は微妙だが、そのような部分を『私一人でもうまくやればいい』などを、一人だけが考えてはならないと考えた。シナジーを出せる俳優たちが集まってほしかった」とし、新人俳優たちが持つ情熱で痛快な逆転勝ちを成し遂げたと伝えている。
『少年時代』のイ・ミョンウ監督は「TVシリーズでは見られなかった顔が出た時に感じるぎこちなさがある。それを超えるほどの演技力はもっと強いと思う。見慣れた顔ではなく『どこであんな俳優を見つけたのか』と思う瞬間、もう少し簡単に吸い込まれるので、それが私が考える良いドラマを作る非常に重要な要素の一つだと考える」と話した。
このように新人俳優たちが引きこまれるような演技を見せ、自分たちに対する関心も高め、作品に対する興味も高める“win-win”な効果を発揮した。
新人ばかりで「危険な賭博」ではなく、「痛快な勝負」と見ることができるのではないだろうか。
(記事提供=OSEN)
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