科学系ユーチューバーとして人気を集めているオービット(40、本名キム・ジェヒョク)が、停職の危機に瀕している。
【写真】“韓国の広末涼子”と称された元女優、現在は過激な配信者
国家行政機関・科学技術情報通信部の傘下財団に勤めながら、ユーチューバー活動および講演で収益を創出していることで、兼職禁止規定に違反したからだ。
彼は登録者93万人を誇るYouTubeチャンネルを運営するほか、“リアル・イカゲーム”と話題のNetflix頭脳戦バラエティ『悪魔の計略 ~デビルズプラン』などにも出演している。
10月11日、監査院の「出捐出資機関経営管理実態」報告書によると、オービットは2015年から2022年12月まで、ユーチューブ出捐や寄稿、著述などを通じて、政府機関の兼職規定を破ったことがわかった。
まず、2018年から2022年までYouTubeチャンネルの有料広告を含む36の映像をはじめ、計284回にわたって映像に出演し、収益を上げた。チャンネルはオービットが株式15%を持つ企業「モアサイエンス」が管理している。
監査院は、同企業が有料広告収入など2021年の6億8600万ウォン(約7600万円)の売上を出した点を指摘し、オービットの行為が国家公務員服務規定25条で禁止されている「自ら営利を追求することが明確な業務」であり、「継続財産上の利益を目的とする業務」に該当すると指摘した。
特に、出演映像のうち245個は深夜12時以降に撮影したが、これは職務能率を落とす営利行為により兼職が不可能だと監査院は指摘。ほかにも、2020年から2022年まで143回にわたって他のYouTubeチャンネルに出演したこと、兼職の許可なしに行われた235回の講演、ラジオ・テレビ出演、著述、コラム寄稿などで、8947万ウォン(約1000万円)余りの所得を上げた。
また、出演料なしで出演したインターネット放送も、特定時間帯に周期的に撮影していただけに、兼職許可が必要だが、そうではなかったというのが監査院の説明だ。
財団は2022年7月頃、1時間当り40万ウォン(約4万4000円)、総額60万ウォン(約6万6000円)を越える金額を禁止した、役職員外部活動謝礼金ガイドラインを作ったが、オービットは2022年下半期だけで8回の外部講義を行い、規定金額よりも計880万ウォン(約97万円)を多く受け取っていたことも判明している。
監査院は監査結果を土台に、オービットに停職処分を下すと財団に通知。財団は「オービットの懲戒強度などは自主監査を通じて決める予定」と明らかにした。
なお、オービットは韓国メディア『聯合ニュース』の電話取材で「不十分だった部分が多くあり、コンテンツを作ることだけに気を使ってしまったため、関連規定をよく知らなかった」として処分を受けると話した。また、業務を疎かにしたことはなく、昨年8月に財団側に辞職意思を明らかにしたが、監査が始まったことで辞職できなかったと説明した。
前へ
次へ