俳優のユ・アイン(36、本名オム・ホンシク)が2度目となる拘束の岐路に立たされている。
掘れば掘るほど新しい麻薬の話が飛び出してくるユ・アインの“麻薬事件”は、どんな結末を迎えるだろうか。
ソウル中央地裁は来る9月21日午前10時、麻薬類管理法違反、証拠隠滅教唆、犯人逃避などの容疑がかけられているユ・アインと知人のチェ氏(32)に対する拘束前被疑者尋問(令状審査)を開く。
去る5月25日の警察捜査当時に請求された拘束令状が棄却されてから、4カ月ぶりだ。
ユ・アインは2020年からソウル一帯の病院で、美容施術の睡眠麻酔を口実に約200回、計5億ウォン(約5000万円)相当のプロポフォールなど医療用麻薬類を常習的に買収・投薬した疑いが持たれている。数十回にわたって他人名義で睡眠薬約1000錠を不法処方されて投薬し、今年1月にはチェ氏など4人と一緒にアメリカで大麻などの麻薬類を投薬した疑いもある。
先立って警察は5月、ユ・アインに対して拘束令状を請求したが棄却された。その後、検察が3カ月間の補完捜査を行い、ユ・アインの拘束令状を再請求した。
検察は補完捜査を通じて、ユ・アインが知人に証拠隠滅を指示したり、アメリカ現地で一行に大麻喫煙を強要したりした疑いを追加したと明らかにした。チェ氏もやはりユ・アインと自身の犯行を隠蔽するために、共犯を海外に逃避させたり関連共犯に陳述を翻すよう懐柔・脅迫したりしたと調査された。
検察は拘束令状請求理由について、「ユ・アインがいわゆる“病院ショッピング”を通じて常習的に医療用麻薬類を不法投薬し、他人名義で麻薬性睡眠剤を不法取得しており、チェ氏らと集団で海外遠征に行って麻薬類を投薬してきた」と明らかにした。
また「共犯者および周辺人の捜査状況をリアルタイムで共有しながら証拠を隠滅し、共犯者を海外に逃避させたり陳述翻意を懐柔・脅迫したりするなど、司法手続きを妨害した重大な罪質の犯行と判断した」と付け加えた。
現在、ユ・アインが投薬の疑いをかけられている麻薬の種類は、コカイン、プロポフォール、ケタミンなど7種。当初はプロポフォール、大麻、ケタミン、コカインの5種だったが、6月に向精神薬であるミダゾラムとアルプラゾラムを追加投薬した状況が捕捉された。
先立って5月、ユ・アインの拘束令状が棄却された理由について、裁判所は関連証拠がすでに相当数確保されている点などを理由に挙げた。当時、裁判所は「犯行と関連した証拠がすでに相当数確保されており、被疑者も基本的な事実関係自体は相当部分認めている」として拘束令状を棄却した。
これに対して今回の拘束令状請求は、ユ・アインの証拠隠滅や海外逃避、懐柔・脅迫などの可否が主要に作用するものと見られる。法曹界ではユ・アインに証拠隠滅教唆の疑いが追加された以上、今回は拘束を避けることは難しいと展望している。
4カ月ぶりに拘束令状を再請求しただけに、拘束の必要性を立証する検察の自信と自尊心がかかっているという点も令状発行の可能性に力を加える。
とある刑事法関連の弁護士は本紙『スポーツソウル』に、「ユ・アインがすでに麻薬投薬について相当部分認めただけに、前回と同様に証拠隠滅、教唆、逃避疑惑などがカギだが、検察が関連した新しい疑惑を確認し、何より大麻喫煙の強要という重大な疑惑が追加されただけに、今回は令状が発付される確率が高い」と展望した。
近年、麻薬が深刻な社会問題として台頭している状況で、裁判所も世論の視線を避けることは難しいだろうとの指摘だ。ただ証拠がすでに相当数確保されているという点と、ユ・アインが相当部分の容疑を認めて自粛の態度を見せているという点で、拘束令状棄却の可能性も依然として残っている。
検察はユ・アインとチェ氏をはじめとする国内被疑者対象の捜査、海外に逃避した共犯者らに対する捜査を続ける予定だ。
◇ユ・アイン プロフィール
1986年10月6日生まれ。韓国・大邱(テグ)出身。2003年のドラマ『四捨五入』でAraの恋人役を演じ一躍有名になる。デビューから1年でファンミーティングが開催されるほど異例の速さで人気を高めるが、芸能活動を一時休止。2006年から活動を再開し、様々なドラマや映画で助演を務める。2010年のドラマ『トキメキ☆成均館スキャンダル』で強い存在感を発揮し、ドラマ『ファッション王』『チャン・オクチョン』『密会』、映画『ワンドゥギ』『ベテラン』『王の運命 -歴史を変えた八日間-』『バーニング 劇場版』『#生きている』などの話題作に出演して活躍している。
■【画像】拘束こそ免れるも…ユ・アインに待っていた厳しい“仕打ち”
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