大学祭でのパフォーマンスで市民団体に告発されたMAMAMOOのファサ。彼女が処罰される可能性を巡り、ネット上では意見が分かれている。
【画像】“公然わいせつ”だと告発されたファサのパフォーマンス
7月10日、韓国警察はファサが公然わいせつ罪の疑いで「学生学父母人権保護連帯」（学人連）に告発され、捜査に着手したと明かした。学人連は、去る5月にファサが大学祭で見せたダンスに対して、「わいせつ行為そのものであり、性関係を連想させ、これを目撃した大衆に羞恥心と嫌悪感を呼び起こすのに十分だ」と告発理由を明らかにしている。
それとともに「大学祭は多くの一般市民が集まる場であり、“芸能人”ファサの行動はこれを目撃した一般大衆や青少年などに深刻な悪影響を及ぼす犯罪行為だ」と声を高めた。
先立ってファサは5月12日、tvNのバラエティ番組『ダンス歌手流浪団』（原題）の撮影のため、成均館（ソンギュングァン）大学の祝祭ステージに立った。そしてパフォーマンスの一環として、脚を開いた状態で手のひらを舐め、それを特定の部位にこするような動作を見せたのだ。
ファサはこれ以前にも過激なパフォーマンスで話題になったことがある。2018年に日本で開催された「MAMA」のステージでも、露出が激しい赤い衣装で登場し、扇情的だと物議を醸した。
しかし、ファサはいつも堂々としていた。
彼女は2019年に出演したあるバラエティ番組で、問題視される衣装について「曖昧にするなら着ないと思った。ステージでどうやって着れば一番かっこいいのか、私がどうやってうまく着こなせるのかを考えた」と明らかにしていた。
今回の件も当時と似たような状況だが、ネット上などで騒がれるだけでなく、市民団体が公然わいせつ罪で処罰してほしいと告発したことで、より一層深刻な状況だ。
ネット上でも賛否両論が相次いでいる。過激を越え、“露骨にわいせつだ”という指摘や、大学祭は不特定多数の人が目にするイベントだけに、調節しなければならなかったという指摘も見受けられる。
一方で、大学祭は成人向けのものであり、普段から強烈なパフォーマンスを披露してきたファサらしいステージではあったため、問題にならないという反応も少なくない。
ただ、本件が法的な処罰を受けるかはまた別の問題だ。
韓国での「公然わいせつ罪」は、刑法第245条の不特定多数を相手に公然とわいせつな行為をすることによって成立する犯罪を指す。
しかし、過去の判例を見ると、ファサのケースが過度な露出や公然わいせつなどで刑事処罰を受ける事案とは見難い。
昨年、ソウルで上着を脱いだままバイクを運転した男性と、スイムウェア姿で同乗した女性が、「過多露出罪」で罰金刑を適用されたことがあるが、公然わいせつ罪は適用されなかった。必ずしも性行為を描写したり、性的な意図を表出したりすることが、わいせつな行為を意味するわけではないという判断だった。
過多露出罪は10万ウォン（約1万800円）以下の罰金だが、公然わいせつ罪は1年以下の懲役や500万ウォン（約54万円）以下の罰金、拘留または過料が課される。公然わいせつの容疑が認められ、実刑を宣告された場合には、身元情報が公開される保安処分も同時に受けることができる。
ある刑事事件を専門とする弁護士は「露出行為が、性的興奮と羞恥心を誘発すれば公然わいせつ罪に該当する。今回の件は大学祭で発生したことなので“公然性”は認められるが、ファサのパフォーマンスが一般人の性欲を刺激する性質があるとは見難い側面がある」とし、「特に、公然わいせつ罪は最大で懲役1年が課されるだけに、適用も難しい。今回の事件が公然わいせつ罪の構成要件に該当すると見ることは、非常に難しいのが事実」と話した。
また芸能界では、このような問題がアーティストの“表現の自由”を過度に阻むのではないかと憂慮する声も上がっている。
ある音楽業界関係者は「文化的な違いはあるが、海外のポップスターのステージを見ると、性行為を連想させるパフォーマンスや露出が激しい衣装がはるかに多いが、韓国アーティストにとっては特に難しいようだ」とし、「K-POPが全世界に広がっていくなか、公演・芸術界の扇情性とわいせつの概念に対する議論は相対的に不足しているようだ」と話した。
◇ファサ プロフィール
1995年7月23日生まれ。2014年、4人組ガールズグループMAMAMOOの最年少メンバーとしてデビュー。グループではボーカルとラップを担当。『Piano Man』『Um Oh Ah Yeh』『Um Oh Ah Yeh』『Decalcomanie』『Yes I am』『Dingga』『AYA』など、数多くのヒット曲で高い影響力を見せつけた。2019年には『TWIT』でソロデビュー。ステージで見せる個性的で、洗練されたパフォーマンスが話題になることが多い。
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