『ザ・グローリー』『だって母親』の“最旬”俳優イ・ドヒョンが語るキャリア、同僚、そして恋人

2023年06月18日 話題

俳優イ・ドヒョンのメッセンジャーアカウントのステータスウィンドウには、「初心」という単語が書かれている。2017年のデビュー以来、「初心を忘れない」という信念を守るためだ。

【写真】イ・ドヒョンの“王子様ビジュ”

彼はそのために1年前から友人と演技の勉強会の場も設けている。中央大学・演劇映画学科の同期である俳優ユン・ジョンヒョクと、まだデビューしていない2人の計4人で行っているそうだ。

本紙『スポーツソウル』は、ドラマ『良くも、悪くも、だって母親』(JTBC、『だって母親』)の放送終了後、ソウル江南(カンナム)区のあるカフェで会ったイ・ドヒョンのインタビューを行った。

彼はまず、「『だって母親』のガンホを演じる時、勉強会で第1話から4話まで全体的に読み、ガンホのトーンをどのように掴むか頭を突き合わせて悩んだ」とし、「一週間前にはジョンヒョク先輩のオーディションがあったので、集まって準備をした」と打ち明けた。

医師、医師、医師、そして検察官

(写真提供=YUE HUAエンターテインメント)イ・ドヒョン

イ・ドヒョンは今、韓国テレビ界で最もホットな20代俳優の一人だ。ドラマ界を牽引する20代の男性俳優が絶対的に足りていない状況で、早くも主演俳優クラスに成長した。

2017年のドラマ『刑務所のルールブック』(tvN)では、元野球選手の刑務官イ・ジュノ(演者チョン・ギョンホ)の子供時代を演じた彼が、たった6年で韓国コンテンツの中心に立つことになった背景には、初心を忘れず、演技を地道に勉強してきた努力があった。

『だって母親』は、2023年上半期の話題作となった『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』(Netflix)に続いて、イ・ドヒョンが選んだ作品だ。奇しくも彼は『ザ・グローリー』、『Sweet Home -俺と世界の絶望-スイートホーム』(2020)、そしてKBS演技大賞で最優秀賞を獲得するきっかけとなった『五月の青春』(2021)に続いて、3作連続で医師を演じている。

(写真提供=YUE HUAエンターテインメント)イ・ドヒョン

そんな彼は、『だって母親』では検察官に変身。社会的地位の高い職業という点では医師と変わらないが、事故で記憶を失い、7歳児の知能に戻るという点で差別化されている。

「初めてガンホ役を提案された時は7歳の感情表現が難しいと思ったが、ある程度安定期に入ると、一人ですべてに耐えなければならない30代のガンホの演技がより難しかったです。幼いガンホは、母親をはじめ、いつも周りに人がいるので会話の演技が多かったが、検察官のガンホは、父親の無念な死に対する復讐を夢見ているので、その部分を表現するのが大変でした」

同僚、家族、恋人、兵役

母親ヨンスン役のラ・ミラン、恋人ミジュ役のアン・ウンジンは、イ・ドヒョンにとって良いメンターであり同僚だった。イ・ドヒョンはラ・ミランについて、「演技する時、自分の感情だけに没頭しすぎると結果を逃す場合が多いが、それを破った人がラ・ミラン先輩」とし、「自分を自ら噛み砕き、苦労して演技をするよりも遊びに来たように楽しくしてこそ、良い演技ができると助言してくれた」と述べている。

そしてアン・ウンジンについては「“アイデアバンク”なので、たくさん準備してくる。初々しいカップルよりかは、長く付き合った恋人を表現するために、お姉さんが色々なアイデアを練ってきてくれたので楽に演じることができた」と感謝を伝えた。

(画像提供=ドラマハウススタジオ、SSL、フィルムモンスター)『良くも、悪くも、だって母親』より

劇中の母親と恋人のように、イ・ドヒョンは現実の両親と恋人も大切にする。幼い頃、タクシー運転手として子供たちを養った父、子供たちのためにいつもご飯を作ってから仕事に出ていた母、そして発達障害を患う弟は、イ・ドヒョンが「初心」を守りながら努力する俳優になるきっかけであり、原動力だ。

「子供の頃は、母がご飯を作ってくれて仕事に行っていましたが、一人でご飯を食べるのが嫌で、そのご飯を捨てたりしていました。あの時は、どうしてそんなに分別がなかったのか…。うちには娘がいないので、僕が娘の役割をしようと思いました。もっと愛嬌も振りまき、いたずらもたくさんしたりしました。引越しをさせてあげたあと、家の中がもっと和やかになったようです。クレジットカードを渡したら、両親と一層親しくなりました(笑)。ただ、私の演技に弟は介入させないつもりです。私的な感情が介入すると、演技に責任を問うことができないんです」

(画像提供=ドラマハウススタジオ、SSL、フィルムモンスター)『良くも、悪くも、だって母親』より

また『ザ・グローリー』での共演をきっかけに交際を始めた女優イム・ジヨンの存在は、彼が頼れる場所となったようだ。「以前が子犬と話していたとすれば、今は彼女と対話ができるようになった」とし、「ただ、2人とも忙しすぎて私の作品を見たかは分からない。放送後、視聴率を確認し、“おめでとう”というメッセージは送ってきた」と笑った。

実際、イ・ドヒョンは『だって母親』と映画『破墓』(原題)を並行して撮影し、イム・ジヨンもドラマ『庭のある家』(原題、ENA)の撮影に臨んでいた。そんな2人の状況については「忙しい中でもやることは全部していたら、どういうわけか公開恋愛になってしまった」として恥ずかしがり、20代の青年らしさも見せた。

俳優としての全盛期を謳歌しているイ・ドヒョンだが、兵役は避けては通れない。「国防の義務は履行しなければならず、軍だけで学べることがあるので、以前から憧れていた」とし、「1年6カ月の間に、多様な経験ができるという点で早く行きたい」と意外な反応を見せた。

(写真提供=YUE HUAエンターテインメント)イ・ドヒョン
(写真提供=YUE HUAエンターテインメント)イ・ドヒョン

まだ通知書は出ていないため、現在はミュージカルのための歌や英語を学び、ラ・ミランからはキャンプのノウハウも伝授されているという。

なかなか休めず、日々仕事に邁進する彼は「過去、仕事が無くても役者にしがみついていた時期を考えると、今、このように仕事ができることに感謝しなければならない」と力を込めて話した。

◇イ・ドヒョン プロフィール

1995年4月11日生まれ。本名はイム・ドンヒョン。高校生の時、塾に通うが勉強ではなく毎日映画を見る日々を送る。一番たくさん見た映画は『ひまわり』(原題)。これを見た塾の講師がイ・ドヒョンの母親に伝えたことで、父親には内緒で演技の塾に通い始める。ドラマ『刑務所のルールブック』で俳優チョン・ギョンホが演じるイ・ジュノの学生時代を演じて俳優デビューを果たす。代表作には、ドラマ『ホテルデルーナ』『Sweet Home -俺と世界の絶望-』『ザ・グローリー~輝かしき復讐~』などがある。

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