相次ぐ悲報と「心の病」の告白…“危険信号”を送り続けるK-POPアイドルたち、悲劇を止めるためには

2023年05月02日 話題

2017年12月、2019年11月、2023年4月。SHINee・ジョンヒョンさんが27歳で、f(x)出身のソルリさん、そしてASTRO・ムンビンさんが25歳という若さでこの世を去った。

【注目】突然この世を去った韓国アイドルたちが投げかけた“メッセージ”

アイドルたちの悲報が今も聞こえてくる。突然の悲報に、芸能界はもちろん、彼らを羨望の対象として眺めていたファンや一般大衆も衝撃から抜け出せずにいる。

だたK-POP界の悲劇は、すでに予定されていたのかもしれず、今後も起こってしまうかもしれない。最近までも、数多くのアイドルたちが“危険信号”を送ってきたためだ。

(写真提供=OSEN)左からソルリさん、ジョンヒョンさん、ムンビンさん

「心の病」を告白してきたアイドルたち

華やかなステージの裏で暗い姿を持つアイドルたちの事情は、1997年にさかのぼる。

5人組ガールズグループ「Baby V.O.X」でデビューしたカン・ミヨンは、1990年代後半から2000年代前半まで、いわゆるトップアイドルとして旋風的な人気を博した。しかし彼女の精神的な健康状態は“最悪”だった。

2021年のバラエティ番組『新商品発売~コンビニレストラン』(KBS2)でカン・ミヨンは当時を振り返り、「あまりにも幼い年齢で顔を知られたので、ありがたかったが、とても大変だった。だからすごく暗くなっていた。いつも憂鬱だったし、“今日、目を閉じて起きたくない”と考えたりもした」と、Baby V.O.X活動時代の心の病気を告白して切なさを醸し出した。

(写真提供=OSEN)ヒョナ

その後も心的な苦痛を告白して衝撃を与えたアイドルたちは引き続き現れた。2020年、Wonder Girlsと4minuteの元メンバーである歌手のヒョナはバラエティ番組『ラジオスター』に出演し、「5年以上パニック障害の薬を服用した。病気を患ってから10年近く経ったようだ」と明かした。また、「過呼吸、パニック障害、うつ病があるが、血管迷走神経性失神もあった。スケジュールをやめて帰ることが、とても悲しかった」と告白した。

また少女時代のテヨンも2019年6月、SNSでファンとコミュニケーションしていたところ、うつ病と診断された事実を公開したことがある。彼女は「うつ病で苦しんでいる。薬物治療を熱心にしており、治るよう努力中だ」とし、「躁うつ病であれ、うつ病であれ、悪く見ないでほしい。みんな苦しい患者だ」と打ち明けた。

(写真提供=OSEN)テヨン

実際に心理不安で活動を中断したアイドルも多い。2019年、カン・ダニエルは「うつ病およびパニック障害」の診断を受けて暫定的に活動を中断し、ガールズグループTWICEのジョンヨンは2020年から心理的不安障害および首椎間板ヘルニアを患い、4度も活動を中断した。

2022年2月にはfromis_9のペク・ジホンが、12月にはVERIVERYのミンチャンが心理的な不安症状を理由に活動を中断した。

K-POPの危険信号は韓国社会の危険信号

特に心の病で亡くなった故人と近い同僚たちが、一番大きな苦痛を訴えた。

亡くなったジョンヒョンさんと同じSHINeeのテミンは、以前から患ってきたうつ病およびパニック障害症状で、2022年1月14日付で国防部勤務支援団・軍楽大隊から補充役に編入された経緯がある。

(写真提供=OSEN)テミン

ジョンヒョンさんと同じ時期にK-POP界で活動した2NE1のコン・ミンジも、2018年に米ビルボードのインタビューで故人について言及し、「それは以前の自分の姿を思い出させた。私はなぜ彼が逃げたかったのか理解できる。幼い、新人アイドルたちに、アイドルの世界ではただ成功だけが重要なのではないという事実を知らせたい」と話した。

最近もムンビンさんと生前とても近い友人だったVIVIZのシンビとオムジ、SEVENTEENのスングァンが体調不良でスケジュール不参加のニュースを伝え、故人と同じASTROのチャ・ウヌが4月30日に行われたタイでのイベントのステージ上で涙を見せたりした。

(写真提供=OSEN)チャ・ウヌ

続くアイドルたちの悲報と「心の病」の告白が大衆の心に響くのは、彼らの姿が私たちと大きく変わらないという点にある。幼い頃から華麗な芸能界にデビューするために競争してきたアイドルの世界と、日常で競争社会を味わっている大衆の世界は密接につながっている。

K-POPの危険信号は、最終的に韓国社会の危険信号という意味になる。

これに対して業界は、練習生からスターになったアイドルまで、会社レベルで心理的な安定状態を維持できるように予防策を打ち出してきた。

しかし、これまでどれだけ多くの人々を虚しく見送ってきたか。K-POPの文化と共に、競争だらけの韓国社会の雰囲気が変化しなければ、今後も悲劇は続いてしまうかもしれない。

(記事提供=OSEN)

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