増え続けるK-POPスターの“個人事務所”。金銭的メリットの一方で「思わぬ落とし穴」も? 

2019年08月27日 話題 #Wanna One

その後、個人事務所KONNECTエンターテインメントを設立して独自の活動に乗り出したカン・ダニエルは、成功的なソロデビューを実現させている。去る7月25日にリリースされたソロアルバム『color on me』は初週販売量46万6701枚(7月29日~8月4日集計)という驚異の数字を記録し、事務所トラブルをものともしないスター性を証明した。

先に挙げた2人のほかにも、ガールズグループSISTER出身のヒョリンは昨年、ボーイズグループBlock B出身のジコは去る1月、女性歌手Aileeは去る7月に所属事務所との専属契約を終えて個人事務所を設立した。

ここ数年までは、「歌手やアイドルの個人事務所運営はとても簡単ではない」という認識が一般的だった。俳優の場合は以前から個人事務所の設立が活発に行われていたが、歌手やアイドル出身者となると“参入障壁”の高さが俳優の比ではないとされていた。

しかし、最近は事情が変わりつつある。

ある専門家は「既存プロダクションの最大の強みは、番組を通じたPR能力だ」という前提をもとに、こう話している。

カン・ダニエル

「歌手が出演できる地上波番組の数が限定的だった頃は、それだけ所属事務所のPR能力が重要だった。しかし、地上波ほか総合編成チャンネル、ケーブルテレビといった放送媒体の多様化から、影響力のあるニューメディアがどんどん増えている。ユーチューブなんかは特に代表的で、これらによって個人事務所のデメリットを補うことが可能になったといえる。

活動に制限がかかることから、個人事務所は以前までは敬遠されていた。今は本人のスター性や影響力によっていくらでも幅広い活動ができる環境が作られつつある」

アーティストと事務所間の収益配分が必要ないという点は、個人事務所を設立するアーティストにとってもっとも重要な要素だ。新人歌手の場合は所属事務所と5:5、もしくは6:4の割合で契約を結ぶことが多く、知名度のあるスターとなると7:3の割合が一般的になってくる。

契約の細部事項となると、アーティストごとにイベントや音源、テレビ出演と活動ごとに分配比率が異なることも少なくない。テレビ出演料を所属事務所が100%受け取り、イベントの収益に関してはアーティスト本人への分配率を高めるというやり方だ。個人事務所を設立した場合は、これらの収益をすべて得るということも夢ではないのである。

収益を優先した場合に起こりうる“リスク”の恐ろしさ

しかしながら、個人事務所ならではの落とし穴も少なくないのが現状。会社運営のノウハウがないことからオフィスの契約、車両購入、職員の採用といった基本的な部分で困難を強いられる場合がほとんどだ。

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