【サブカル日韓】 “サマソニ”出演アーティストも! 「韓国シティポップ」が新たなブームを巻き起こす?

2019年07月27日 話題

というのも、そもそも“シティポップ”とはその名の通り、洗練された都会的なイメージを前面に出したポップスのこと。1970年代後半~から1980年代にかけて大流行した、「日本独自のジャンル」だ。

当時の代表的な楽曲としては、山下達郎の『FOR YOU』や、竹内まりやの『プラスティック・ラブ』などが挙げられるが、あくまでも日本でのみ流行し、綿密にいうと正式な音楽ジャンルとして世界に認知されているわけではなかった。

ところが、そのシティポップが韓国の音楽シーンでも聴かれるようになった。

ブームの“火つけ役”となったのは韓国人DJのNight Tempoだ。

Night Tempo はSNSやユーチューブチャンネルなど、インターネットを通じて独自の音楽センスを披露しているのだが、特筆すべきは際立って日本色が強いこと。

前述の『プラスティック・ラブ』のエディット音源を公開して韓国のネットユーザーたちから大きな反響を得ただけでなく、最近は杏里の名曲を公式に再編集した『杏里 -Night Tempo presentsザ・昭和グルーヴ』をリリースし、日本でも話題を集めている。さらに7月28日には「FUJI ROCK FESTIVAL '19」のステージに立つことも決まっており、今後も目が離せない人物だ。

彼のSNSを覗いてみると、昭和ポップスをエディットした独自の音楽はもちろん、80年代のアニメ作品やマンガをずらり並べた写真などがアップされており、レトロなジャパンカルチャーの愛好家であることが一目でわかる。

そんな彼の影響からか、最近韓国のネット界隈では『韓国のシティポップ感性な音楽メドレー』なるタイトルのユーチューブ動画がちょっとした流行だったりする。7月19日には第二弾となる最新動画がアップロードされたのだが、公開から1週間で再生回数10万回超えという驚異の数字を叩き出した。

Dosii

インターネットという最近の若者に最も身近なプラットフォームを活動拠点としているだけに、Night Tempoの音楽を自然と意識する若手アーティストも多く、現在韓国ではSamuel Seo(サムエル・ソ)、Dosii(ドシ)、sugarbowl(シュガーボウル)といった日本のシティポップを彷彿とさせる音楽スタイルのアーティストたちが続々と登場しているのだ。

最近BTSのSUGAとのコラボレーションで話題を集めたシンガーソングライターのHEIZEもその流れに乗ったアーティストであり、先に挙げた赤頬思春期もブームを牽引する存在と言えるだろう。

はたして、彼女たちは「SUMMER SONIC 2019」でどんなステージを披露し、日本の音楽ファンたちはどんな反応を示すだろうか。

K-POPアイドルが依然として人気を集める日本の音楽市場だが、日本独自のジャンルから新たな音楽を生みだす“韓国シティ・ポップアーティスト”が流行する日も近いかもしれない。

(文=姜 由奈)

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