BTS擁するHYBEや3大事務所まで…NFTで収益モデルの転換点を迎えたK-POP、一方で危惧の声も

2021年12月04日 K-POP

韓国の代表するエンターテインメント企業が、相次いでNFT(代替不可能トークン、Non-FungibleTokens)事業に参入している。

最近の韓国エンタメ界最大の話題は、NFTと言っても過言ではない。BTS(防弾少年団)擁するHYBEをはじめ、SMエンタ、JYPエンタ、YGエンタの3大芸能事務所が、一斉にNFT事業への参入計画を打ち出している。

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強力なアーティストIP(知的財産権)を保有しているエンタメ業界は、巨大かつしっかりしたファンダムを背景に、NFTで作られたグッズをメタバース(ネット上に構築された仮想空間)内で販売する計画だという。

K-POPの収益モデルが変化

(写真=BIGHIT MUSIC)BTS

HYBEは仮想資産取引所のUPbitを運営するDUNAMUと合弁法人を設立し、BTSたちアーティストのIPを基盤に、NFT事業やメタバース事業を行う。SMも自社メタバースプラットフォームのための多様な協力会社を確保し、NFTなどの事業展開で優位を占めるという計画だ。

そしてJYPは今年7月、早くもNFT事業への進出を宣言。JYPとNFTの合弁会社を設立したDUNAMUが、NFT取引プラットホーム「UPbit NFT」を発表しただけに、DUNAMUとのシナジー効果がJYPの方向性を決定する見通しだ。

YGは子会社YGPlusを通じてNFT市場に進出する。YGPlusがYG所属アーティストのIPを活用し、HYBEとDUNAMUが設立するNFT合弁法人に参加する方式となっている。この他にもFNC、CUBEなどがNFT事業に名乗りを上げている状況だ。

これまでエンターテインメント企業各社の収益モデルが、CD売上やライブの収益などに集中していたならば、K-POPの人気はアジアを超えてアメリカやヨーロッパといった世界へ広まり、メタバースやNFTなどを活用した新しい収益創出の活路を切り開いている。エンタメ企業がテクノロジー企業との協業に集中している理由もここにある。

ブロックチェーン技術を活用したNFTは、固有の価値と所有権を証明するために使用する。一般的にデジタルコンテンツは無限に複製・ダウンロードが可能だが、NFTは世界に1つしかないオリジナルデジタル資産を所有できるというのがメリットだ。

K-POPがメインターゲットとしているMZ世代特有の特徴である、固有性や希少性の価値がNFTの特性とあいまって、ポジティブなシナジー効果を出すだろうというのが業界の見方だ。

盛り上がる一方で指摘の声も

(写真提供=Big Hitエンターテインメント)HYBE社屋外観

NFTはアーティストの動画や写真など、IPを登録する方式で多様に利用できる。特にNFTはメタバースのようなデジタルプラットフォームでアイテムの役割を果たすため、フォトカード、アーティストの映像、キャラクターなど、様々な形になると予想されている。

とある芸能関係者は、「エンターテインメント業界でNFTは、アーティストとのコミュニケーション手段になりうる。好きなアーティストの限定版NFTグッズを購入するファンには特別な経験を、エンターテインメント社はNFTを通じて希少性により莫大な売り上げを上げることができる」と説明した。事実、BTSのJUNG KOOKのフォトカードがインドネシアで、約300万ウォン(約30万円)で取引されたこともある。

特に、NFTがメタバースと結合し、単純な購入だけでなくともに参加して楽しむ「P2E(Play to Earn)」市場へと拡大するものと見られている。

業界関係者は、「単純に仮想空間と思われていたメタバースプラットフォームにNFTが登場し、現実と関連して生産性を持つようになり、価値と意味を付与することができるようになった。おかげでメタバースの世界観はさらに拡張することができる」と説明した。

一部では、このNFT熱が一過性で終わる可能性も提起されている。また別の関係者は「NFT市場が過熱の様相を見せているが、注意も必要だ。NFTの取引規模が拡大しているが、関連する法的根拠と規制が不十分だ」と指摘している。

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