“韓国映画の危機”に「面白くないのに来てくれとは言えない」巨匠パク・チャヌクが自ら負う責任

2025年09月22日 番組

韓国映画界の巨匠パク・チャヌクが、「韓国映画の危機」と言われる現状について持論を語った。

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9月21日に韓国で放送された『8ニュース』(SBS)では、新作『NO OTHER CHOICE』(英題)を発表した監督のインタビューが電波に乗った。

『NO OTHER CHOICE』は、突然の解雇により人生が一変したサラリーマンのマンス(演イ・ビョンホン)が、妻と2人の子ども、そして苦労して手に入れたマイホームを守るために奮闘するという物語。同作は、8月29日から9月6日にかけて開催された第82回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門に招待された。現地での初上映後には主要海外メディアから高評価を受けていただけに期待が高まっていたが、結果的に受賞はならなかった。

その結果についてパク監督は「正直、期待していた。当時、記者や批評家のレビューや点数を集計したランキングでは常に一番上にいたので、期待していなかったといえば嘘になる」と率直に語った。

パク・チャヌク
(画像=『8ニュース』)パク・チャヌク

受賞を逃した後の心境については「これまでの、どの作品よりも観客の反応が良く、すでに大きな賞をもらった気分だった」と振り返り、「本当に不思議なくらいだった。自分の映画を観ても誰も嫌がらず、みんなが笑い、拍手まで起きたという話を聞いて信じられなかった」と述べた。

続いてパク監督は作品についても言及。「チャーリー・チャップリンの『モダン・タイムス』のように、労働者の現実を描いた映画でも悲劇的な話が笑いを生むではないか。そんなことを考えながら作った」と説明し、特にこだわった要素としては“家”を挙げ、「家をどう描くかに力を入れた。家を主人公の一人と考え、かなり工夫を凝らした」と明かしている。

タイトルについては「原作小説のタイトルが『The Ax』(斧)で、解雇という表現で使うそうだ。だが、そのまま使うと過去に自分が作った暴力的な映画のイメージから“凶器”の意味に誤解されかねないと思い、新たに付けなおした」と説明した。

そんな『NO OTHER CHOICE』の制作には、なんと10年以上も費やしたという。「原作小説を初めて読んだとき、映画化したいと強く思った。その魅力は時間が経っても色褪せない、いつでも観客に通じると確信していた」と語った。

韓国では9月24日の封切りを控え、すでに前売り予約1位と大きな注目を集め、ヒットの兆しを見せている。パク監督は「(新型コロナの)パンデミック以降、韓国の映画館は観客を多く失った。出ていった観客が戻ってきていない。そんな状況で自分の映画の責任が大きいという意識もあり、負担だが、観客を呼び戻す役割を果たせればと願っている」と述べた。

ほかにも、「韓国映画は危機だ」と言われる近年の状況については、「悪循環だ。面白くないのに“来てくれ”とは言えない。結局、この問題を解決できるのは我々だ。もっと新鮮で充実した映画を作り、克服すべきだと思う」と力を込めた。

最後に、次回作については「アメリカで撮りたい西部劇がある。何年も脚本を手直ししているが、『NO OTHER CHOICE』がこうして完成したのを見て諦めたくなくなった。ぜひ挑戦してみたい」と語った。

(記事提供=OSEN)

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