兵役逃れ騒動で20年以上も韓国に入国できていない元K-POPスターのユ・スンジュン(47)が“人権侵害”を訴えるも、韓国国民の反応は依然として冷たいようだ。
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ユ・スンジュンの法律代理人を務める法務法人世宗(セジョン)のリュ・ジョンソン弁護士は、9月28日に公開した立場文で「アメリカの在ロサンゼルス韓国総領事館が最近、法務部などと検討し、ユ・スンジュンに対する入国禁止を決めた」と明らかにした。
続けて、「ユ・スンジュンの2020年7月2日(2度目のビザ発給申請拒否処分が決まった日)以降の行為などが、韓国の安全保障、秩序維持、公共福利、外交関係など韓国の利益を害する恐れがある場合に該当するという理由でビザ発給を拒否した」と付け加えた。
ユ・スンジュンは1997年に韓国でソロ歌手としてデビューした後、多くのヒット曲で愛されたソロダンスアーティストだった。ところが、兵役義務による入隊を控えた2002年1月、アメリカ現地に市民権を取得して韓国国籍を喪失したことで“兵役逃れ”の議論が勃発。これにより、韓国への入国が禁止となった。
その後、2015年に入国のための在外同胞(F-4)ビザ発給の申請が拒否されると、この決定の取り消しを求める訴訟を起こし、2020年3月に原告勝訴の判決が確定した。
しかし、ロサンゼルス総領事館はビザ発給を再度拒否した。これに対し、ユ・スンジュンは2度目の取り消し訴訟を起こし、昨年11月に再び最高裁で最終勝訴した。ユ・スンジュンに対するロサンゼルス総領事館のビザ発給拒否は今回が3度目だ。
リュ・ジョンソン弁護士は「これは行政庁が裁判所の判決まで無視し、違法な処分を継続することであり、ユ・スンジュンに対する人権侵害であるだけでなく、法治主義の根幹を傷つける重大な問題でありうる」と批判した。
また、ユ・スンジュンが観光ビザで入国できるにもかかわらず、営利活動のために在外同胞ビザに執着しているという疑惑に対しては「まったく事実ではない」とし、「ほかの査証(ビザ)で訴訟する場合には、訴訟の適法性自体が問題になる可能性が高く、この事件は在外同胞の地位で訴訟を進行することが有利だという弁護士たちの勧めのためだった」と説明した。
もっとも、ユ・スンジュン側の訴えを聞いても韓国国民は批判的な態度を続けている。
韓国国内でもビザ発給を拒否される人が少なくないなか、ユ・スンジュンは“兵役逃れ”の騒動の象徴性があまりに大きいため、入国が許されないことも自然だという判断だ。
在外同胞の地位を維持しなければいくらでも入国が可能であるにもかかわらず、訴訟を繰り返すことは営利活動目的に対する意図が明らかだという疑いを拭えないのも批判の理由だ。
とある関係者は「法的な訴訟を離れ、軍隊を放棄して海外に逃避したことは取り返しのつかない過ちだ」とし、「手続き上の問題を離れ、ユ・スンジュンが友好的な世論を得ることは難しいだろう」と厳しい見解を伝えた。
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