韓国の新作ドラマ『ソンジェ背負って走れ』が「特定のアイドルを連想させる」として物議を醸している。
4月8日、tvN新作ドラマ『ソンジェ背負って走れ』の第1話が放送された。
ウェブ小説『明日の一番』(原題)を原作とし、日本でもU-NEXTで同時配信中の『ソンジェ背負って走れ』。
同作は有名アーティストのリュ・ソンジェ(演者ビョン・ウソク)がある日突然この世を去ってしまったなか、彼の熱狂的ファンであるイム・ソル(演者キム・ヘユン)が“推し”を生かすため、リュ・ソンジェがデビューする前の2008年までタイムスリップするストーリーが描かれている。
ところが第1話終了後、ネット上では『ソンジェ背負って走れ』が「特定のアイドルを連想させる」という疑惑が浮上した。
とあるネットユーザーは、『ソンジェ背負って走れ』の初回放送日が、2017年に27歳の若さでこの世を去ったSHINee・ジョンヒョンさんの誕生日である点、作中で主人公がタイムスリップする2008年がSHINeeのデビュー年と同じ点などを根拠に挙げ、「ファンにとってはあまりにも大きな痛みなのに、ドラマの素材として書いて意見を無視することは無礼だ」とし、制作陣に抗議していた。
実際、一部のファンは『ソンジェ背負って走れ』の放送1カ月前から、放送会社側に放送中止要請と抗議メールを送ったと伝えられた。
ただ、これと関連して『ソンジェ背負って走れ』側は、意図的な設定が「現実的に不可能だ」という立場を示している。
これに先立ち、CJ ENM側はファンの抗議に「劇中のソンジェのデビュー年度は2009年であり、ウェブ小説『明日一番』を原作とするドラマで、特定の人物や状況などを念頭に置いて制作したドラマではない」と釈明した経緯がある。
CJ ENM側は「企画過程で、原作の6年前という設定は2人の主人公の初々しい時代を描くにも、また時代的な違いを見せるにも合わないと判断し、2023年との時代的対比が確実に表れる15年前の2008年に背景を設定した」と説明した。
『ソンジェ背負って走れ』の演出を担当したユン・ジョンホ監督も、今月3日に行われた制作発表会で2008年を背景に選んだ理由について、「2008年には全国民が熱狂した北京五輪があった。有名なスポーツ選手が多かっただけに、その時代を思い出すほどの過去であってほしい」と話したことがある。
また、第1話の放送日についても「元々のtvN月火ドラマのブロック編成順序により、順次決定されただけで、意図的な設定は現実的に不可能であるとお伝えしたい」と伝えた。
このような釈明にもかかわらず、一部のファンは「原作にない設定を追加することで実際の人物を連想させた」として反発を続けている。
例え意図がなかったとしても、特定の人物が連想される状況を考慮しなかったこと自体が、ファンに対する配慮が足りなかったという指摘だ。
その一方で、一部のネットユーザーは「過度で強引な主張だ」という立場を示している。原作からドラマに脚色が加わる過程で、特定の人物が連想される部分が消えたという点だ。
実際、原作でリュ・ソンジェが所属したグループは5人組だったが、ドラマでは4人組のバンドに変更された。
また、原作ではリュ・ソンジェが過去に練習生だった過去があったが、ドラマでは水泳選手に変更された。
何より、辻褄を合わせる形で議論を生み出し、故人の名前を挙げること自体が、むしろ彼に対する配慮が足りない行為だという主張も寄せられている。
なお、『ソンジェ背負って走れ』は韓国tvNで毎週月曜・火曜日の20時50分より放送。日本ではU-NEXTを通じて毎週月曜・火曜日の23時に配信される。
(記事提供=OSEN)
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