悲運のボクサーから殺人事件の容疑者、弁護士、歴史の実在人物まで。俳優チャン・ヒョクは、多彩な表情を持つ。
1997年にデビューし、俳優人生は20年超。多数の代表作を持つ“多作俳優”として休まず活動してきた彼は、『私の国』が終わったばかりなのにもう次回作を決めている。
「来月にクランクインするドラマでもロン毛のキャラクターを務めるので、ヘアスタイルを変えずにいる」と、笑った。
【インタビュー前編】チャン・ヒョク、2度目の“イ・バンウォン”役演じた『私の国』を振り返る
来年上半期に放送予定の新ドラマ『見た通りに話せ』(原題、OCN)で、天才プロファイラーに扮するという。
「40代になって脚本をいただくときの態度が変わった。こんな作品がまた僕に訪れるだろうか、と思うようになった。多作を意識しているわけではないが、演技の楽しさ、大切さが大きくなったからかもしれない。作品を準備する過程も幸せだし、撮影現場でしか感じられない快感もある」
彼は俳優という職業を、サラリーマンに比喩して説明した。
「僕も毎日出勤するサラリーマンの方々と似ていると思う。ドラマが終わると退社だし、作品に起用されたら入社という感じだ。僕は入社と退社を繰り返す。間もなく新しい職場に出勤しなければならない(笑)」
彼がロングランする理由には、地道な練習と自己管理を欠かせない。
「練習室でセリフを覚えたり、発声の練習をする。小さい声を出す癖がついたら大きな声を出しにくくなる。だから声を出して本を読む方法でトレーニングをしている」
今回の『私の国』では、予想もできなかったところで声量を上げ、イ・バンウォンの欲望を上手く表現したチャン・ヒョク。「実は『客主』の時に大声を出すシーンが多くて声帯が鍛えられたようだ(笑)。全41話だったので良いトレーニングになった」と言う。
セリフを覚える独自の方法も紹介している。
「セリフは口に馴染ませるのが前提だ。自分の言葉になってこそ現場で自由にあやつれる。暗記はボクシング場でやるのだが、もともと気が散る場所なので暗記するためにもより集中するしかない。大きな動きと共にセリフを言う場合も多いので、そういう部分で役に立つ」
2020年も多彩な作品で埋めていくだろうという期待を高めたチャン・ヒョク。「まだまだやりたい演技とキャラクターが多すぎる」という彼の熱い思いと意志が印象に残った。(了)
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