韓国議員、国防部にBTSの世界スカウト大会動員を要請「軍人身分のメンバーも一緒に参加して」

2023年08月08日話題 #BTS

問題続出で物議を醸す韓国の世界スカウト大会をめぐり、国会議員がBTS（防弾少年団）のK-POP公演出演を国防部に要請した。

保守系与党「国民の力」のソン・イルジョン議員は8月8日、自身のフェイスブックで「国防部はBTSが国格を高められるよう、世界ジャンボリー大会で公演できるよう支援してください」と題した要請文を投稿した。

「全羅北道のセマングムで開催された世界ジャンボリー大会は、準備不足と未熟な運営で国格が墜落する行事でした」と運営を痛烈に批判したソン議員は、「大韓民国を訪問した多くの青少年は、世界中を席巻している韓流と大韓民国の躍動性と創意性を見るために訪れたことでしょう。この大切なお客様たちに対し、セマングムでの不足した日程を大韓民国の文化の力で満たす必要があります」とし、次のような主張を伝えた。

「国防部は11日、ソウルで行われるK-POPコンサートに、現在軍人の身分であるBTSが皆一緒に参加し、大韓民国の国格を高められるようあらゆる措置を取ってください」

「BTSとともに世界の青少年たちが盛り込んでいく思い出は、もう一つの大韓民国の資産になるでしょう。最後まで大韓民国に対する良い思い出を持っていけるよう、国防部は先制的に対応してください」

韓国で問題続出の「世界スカウトジャンボリー」

韓国では今月1日より、全羅北道・扶安郡（チョルラブクド・プアングン）のセマングム干拓地で「2023セマングム第25回世界スカウトジャンボリー」が開催されていた。

同大会は世界スカウト機構による4年に一度の合同キャンプ大会で、全世界158カ国から約4万3000人もの14～17歳の青少年が参加していた。

ただ、いざ大会が始まると問題が多数発生。会場内のコンビニにおける“ぼったくり問題”や猛暑による熱中症患者の続出、さらには参加者に支給されたゆで卵からカビが発見され、キャンプ場内の女性シャワー室に30～40代と推定されるタイ人男性指導者が侵入したことが発覚するなど、劣悪なキャンプ場の環境に批判が集まっていた。

そんななか、大会を締めくくる一大イベントとして、当初は6日に扶安郡のセマングム野外ステージで「K-POPスーパーライブ」を開催する予定だった。

ただ、開催予定日の6日当日、韓国政府・文化体育観光部のパク・ボギュン長官が「収容人力、安全管理、アーティスト出演問題、プログラム補完調整問題、セマングムからの移動条件、退営式問題などを総合し、そのような結論を下すことになった」とし、11日に全州（チョンジュ）ワールドカップ競技場での開催に変更することを発表した。

ところが、同期間に台風6号「カヌーン」がキャンプ場一帯を通過するとの予測が明らかになると、世界スカウト機構側が「K-POPスーパーライブ」の開催地変更を要求。これにより、公演は11日にソウルで開催されると見込まれている。

そして、この「K-POPスーパーライブ」の出演アーティストと関連し、BTSが合流するとの噂が突如浮上した。これについてパク長官は「まだ決まっていない」と、出演の可能性が残されているかのような回答にとどまっていた。

もっとも、BTS出演の噂をめぐっては「BTSの人気と有名税を利用して、政府やイベントに対する批判への“盾”に使おうとしている」との猛非難が相次いだ。何より、BTSのグループ内には兵役のため入隊中のメンバーもいる。

しかし、そんななかでもソン議員は国防部を名指しして呼び掛けてまで、BTSの「K-POPスーパーライブ」出演を要請した形だ。

なお、BTSでは現在、JINが昨年12月、J-HOPEが今年4月から入隊した。また、8月7日にはSUGAが入隊することも発表されている。

以下、ソン・イルジョン議員の投稿全文。

◇

全羅北道のセマングムで開催された世界ジャンボリー大会は、準備不足と未熟な運営で国格が墜落する行事でした。

執行に責任がある全羅北道はもちろん、支援しなければならない中央政府まで、責任ある姿を見せられませんでした。

ワールドカップ、オリンピック、世界エキスポなどを行った経験を持つ大韓民国というには、実にもどかしくて恥ずかしい姿でした。

国民が支援に乗り出してこそ、改善の兆しを見せた大会でした。神秘的な大韓民国に期待感を持って訪れた青少年たちに失望を与えた大会だったはずです。

台風「カヌーン」が韓半島に北上したことで、残りの期間は首都圏などほかのキャンプ地に移動することになりました。国民の助けがなかったら、これも不可能でしょう。