日本で人気を博した韓国時代劇は数多いが、その中でも『イ・サン』は別格だった。とにかく、このドラマを絶賛する人が多い。それは主役のイ・ソジンの演技力に負う部分も大きいだろう。
(関連記事:試練を乗り越えて大成した、パク・ボゴムの堂々たる人生!)
そんな彼が、このドラマについて大いに語っている。
まずは、歴史上で有名な実在の人物を演じる姿勢についての発言だ。
「『イ・サン』はドラマという“作られた話”であるとしても、その時代を生きた人物を研究するために、資料となる本を読んだりもしながら、基本的な知識を持って配役に臨みました」
「『イ・サン』が人気を博したのは、正しいリーダーに対する人々の願いが大きいようです。国王の中でも正しい政治と情け深く寛大な性格で歴史に残っている正祖(チョンジョ)の一代記は、最近、この時代が願うリーダーの姿だったりしたようです。そんな点が印象的で、人気を集めることができた理由だったのだと思っています」
また、イ・ソジンは次のように撮影当時を振り返る。
「『イ・サン』は何しろ長期間撮影した作品なので、一緒に出演した俳優さんたちはもちろん、スタッフたちとも家族のように親密になりました。撮影現場では、常に友達の集まりのように楽しく撮影することができましたね」
さらに、撮影時の思い出が続く。
「『イ・サン』の撮影の時、ハン・ジミンさんは、本当に善良でまっすぐな人だと思いますね。『イ・サン』はとても長い期間、共演者と撮影をともにした作品であり、仲間のように楽しく撮影をしたので、呼吸も良かったと思います」
やはり、『イ・サン』があれほどの傑作になったのは、俳優や制作陣のチームワークがとても良かったからだ。さらに、イ・ソジンは『イ・サン』で正祖を演じて特に記憶に残っているシーンについて語っている。
「ソンヨンとの愛の場面は良かったですね。伝統的な時代劇が見せてくれる硬くて通俗的なメロドラマではなく、現代劇で見られるような、胸がドキドキしてロマンチックな恋愛を表現したと思います」
最後にイ・ソジンは『イ・サン』の見どころについて述べた。
「『イ・サン』は何と言っても長い作品ですからね(全77話)。ある一部分だけ見て『イ・サン』を理解することは難しいことだと思います。周辺の人々に印象深かった場面を聞いて見ると、子役俳優から私に変わる時点で、子役俳優が演技した声のトーンや、話し方、行動なんかを、そのまま受け継いだような場面が良かった、と。もう1つは、ソンヨンにウインクするシーンが、時代劇では見られなかった場面だから印象的だと言ってましたね」
こうした発言を聞くと、イ・ソジンが様々な工夫をしながら名君を演じていたことがよくわかる。
(文=康 熙奉/カン・ヒボン)
前へ
次へ