衝撃的だ。裁判で不倫を認定された女性が、恋愛リアリティ番組に出演していた。
それも、実の母親と一緒に出演していた。
韓国SBSで放送中の恋愛リアリティ『合宿お見合い』(原題)の出演者A氏だ。同番組は、結婚を望む男女10人、そしてその母親10人が5泊6日の合宿を行い、結婚という目標に向かっていく番組だ。
社会的に強い非難を受ける出来事に関わっていながら、顔がすべて公開される地上波番組に出演していたことに、驚きを禁じ得ない。
制作陣にとっては寝耳に水だった。
一般人が出演する番組では、非常に入念な検証プロセスを経る。SNSを徹底的に洗い、オフラインでの面談を何度も行い、知人を通じて評判も確認する。出演者の同意を得たうえで、各種犯罪歴の有無もチェックする。
人権に関わる問題であるため、露骨に要求できない部分はあるが、可能な限り隙のない調査を行っている。
しかし、不倫については制作側でも手の打ちようがない。2015年に「姦通罪」が廃止され、不倫は刑事処罰の対象ではなくなった。現在では、当事者間の争いである民事訴訟の領域に属する。
多くの制作陣は、麻薬や飲酒、暴行、性犯罪などの刑事事件に該当する事項を中心に確認している。不倫をしていた出演者が意図的に隠そうとすれば、見抜けないのが現実だ。数々の試行錯誤を経て、ほぼ完成形に近づいた放送局の検証システムが破られた格好だ。
報道番組『事件班長』(JTBC)に情報提供した40代女性によると、夫の不貞行為を受けて2022年に離婚訴訟を起こし、不倫相手(A氏)に対する訴訟も併せて進めたという。当時の裁判では、女性側が勝訴し、裁判所は不貞行為をした夫とA氏に3000万ウォン(約300万円)の慰謝料を支払うよう命じる判決を下した。
ただし、情報提供者は現在も慰謝料を受け取れていないと主張している。彼女は「その人(A氏)のせいで私たちの家庭は壊れたのに、良心の呵責もなく、ああして(恋愛番組に)出て、ああいう振る舞いをしているのが衝撃だ」と話した。
情報提供者だけでなく、制作陣も気の毒だ。『合宿お見合い』は、数多く生まれてきた恋愛リアリティ番組をさらにひねった企画だ。
本人が好意を抱く相手と、母親が気に入る相手が異なることで生じる葛藤、相手の親に接する若者たちの表情、外見や経済力だけでなく多面的に相手を見る現実性、さらには相手の親と同席することで生まれる現場の緊張感など、他の番組にはない新鮮な要素が多い。
しかし多くの制作スタッフの努力が、たった一人の嘘によって深刻な影を落とす結果となった。
問題のA氏は、男性から高い人気を集めただけでなく、巧みな立ち回りで彼らの心をつかむ魅力を見せていた。事実上、『合宿お見合い』シーズン1の葛藤を生む存在だったが、不倫経験があることが明らかになったことで、物語全体を構想していた制作陣や、共演者たちに大きな迷惑をかける結果となった。
『合宿お見合い』の制作陣によると、この事実を把握したのはごく最近で、A氏は「自分には関係のないことだ」とだけ述べ、その後は連絡を避けているという。事実と判断した制作側は、徹夜で再編集作業を進めている。
それでも、この問題を放置するわけにはいかない。裁判記録を確認してでも、同じ過ちを繰り返さないというのが制作陣の立場だ。真実の愛を探す番組に、深刻な道徳的欠陥を抱えた行為をした出演者が登場するだけで、企画意図が損なわれてしまうからだ。
SBS関係者は「制作側としても防ぎきれないケースではあったが、それでも手をこまねいているわけにはいかない。同じことが繰り返されないよう、確実な検証方法を見つけなければならない」と語った。
そしてSBS制作陣は、問題となっているA氏の出演分を全面的に削除する方針を明らかにした。
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