韓国の大手芸能事務所SMエンターテインメント(以下、SM)が、6人組ボーイズグループ「82MAJOR(エイティーツーメジャー)」の所属事務所GREAT Mエンターテインメント(以下、GREAT M)の第2位株主となる。
SMは持分譲渡契約を通じて、来る5月27日にGREAT Mの持分取得を完了し、GREAT Mのキム・ヨンソン代表とともに82MAJORの成長を支援する方針だ。
今回の投資は、FNCエンターテインメント(以下、FNC)在籍時に多数のプロジェクトを成功に導いたキム・ヨンソン代表のプロデュース能力、さらには82MAJORが追求する音楽的方向性が、SMの推進する「マルチレーベル戦略」と高い親和性を持つと判断されたことが背景にある。
また、GREAT Mの所属アーティスト一人ひとりの能力や成長の可能性に着目し、投資を決めたという。
SMが掲げる「SM 3.0」戦略の中核要素の一つである「マルチレーベル戦略」を、外部投資に拡張する事例は今回が初めて。多様な制作センターとレーベルが自律性を持ち、独立的にIP(知的財産)を開発・運営する体系に転換する過程の一つとして実行された。
これを通じてSMは、良質なIP制作の力量を拡張し、音楽的スペクトラムを広げることで、事業の持続可能性とグローバル市場での競争力を強化する戦略を立てている。
GREAT Mは、FNCで常務取締役を務めたキム・ヨンソン代表が2020年3月に設立したレーベル。設立と同時に練習生を募集し、3年間の準備期間を経て、2023年10月11日に6人組ボーイズグループ82MAJORをデビューさせた。
韓国の国番号「82」と「MAJOR」を組み合わせたグループ名には、「韓国を越えて世界のメジャーになる」という意志が込められている。メンバーは韓国出身のチョ・ソンイル、ナム・ソンモ、ファン・ソンビン、パク・ソクジュン、キム・ドギュンと、カナダ出身で韓国系カナダ人のユン・イェチャンという構成だ。
82MAJORはHIPHOPベースの音楽を基盤とするグループで、メンバー自ら作詞作曲に携わる音楽的力量を備えている。実際、デビューから1年でで米ビルボードチャートに入るなど、グローバル市場でもすでに存在感を示している。
今年1月25日には初の日本単独コンサート「82MAJOR CONCERT <82MAJOR BOOM> in JAPAN」も開催するなど、日本にも活動の幅を広げている。
最近では、4月14日にリリースした3rdミニアルバム『SILENCE SYNDROME』、同作のタイトル曲『TAKEOVER』で積極的な活動を展開。安定したライブパフォーマンスで着実にファンダムを拡大しており、来る6月に韓国で開催予定の単独コンサートはすでに全席完売。夏にはアメリカ単独ツアーも控えており、“グローバル公演型アイドル”として世界的な注目を集めている。
なお、GREAT Mには82MAJORのほか、ガールズグループAOA出身の歌手チョアなども所属している。
SMは今後も韓国国内外のレーベルへの投資・買収を通じて、音楽的多様性と実験性を拡大し、グローバル市場での影響力と収益源を多角化する計画だ。
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