韓国の女性歌手IU(アイユー/本名イ・ジウン)への誹謗中傷を「単純な記号を言っただけ」と否定した30代女性に罰金刑が下された。
ソウル中央地裁・刑事16単独(イ・ギョンソン判事)は12月3日、侮辱容疑で起訴された30代女性A氏に罰金300万ウォン(日本円=約32万円)を言い渡した。
裁判所は「同氏は自身の文が客観的な事実関係を根拠に意見を明らかにした際、部分的に侮辱的表現を使用したので侮辱罪に該当しないと主張した」としつつ、「しかし、通常の意味や表現の文脈上、侮辱的・軽蔑的な人身攻撃と判断される。意見表明から外れた侮辱に該当するため、主張を受け入れない」と判断を伝えた。
それとともに、「犯行内容や犯行後の状況、すでに名誉棄損で罰金刑の刑事処罰を受けた前歴がある点を考慮し、刑を決定した」と説明した。
A氏は2022年4月10日、IUの衣装や歌唱力を侮辱するコメント4件を投稿した疑いで裁判にかけられた。
A氏は今年11月15日に行われた公判で「単純な記号を言っただけ」と容疑を否定し、「精神疾患を患っており、文章力が劣る。救済を望む」と善処を求めた。
また、A氏の弁護人も「事実に基づいて意見した」とし、「不快だったり侮辱的な表現はあるが、侮辱罪が成立することはない」と主張していた。
このA氏に対し検察は懲役4カ月を求刑したが、裁判所は最終的に罰金刑を決定した。
なお、IUの所属事務所EDAMエンターテイメントは今年11月11日、「アーティストに対する脅迫、侮辱、悪意的な虚偽事実の流布と根拠のない盗作疑惑提起による名誉毀損、殺害脅迫及び私生活の侵害、セクハラ、わいせつ物流布、ディープフェイクによる違法合成物制作及び流布、そのほか違法情報流通行為のなかで、犯罪要件を充足する重大な事例を選別し、告訴を進めました」とし、被告訴人が「総勢180人」おり、現在も追加で告訴を進めていることを明らかにした。
また、当時までに確定した判決及び処分が「罰金刑(求略式処分)」6件、「教育履修条件付き起訴猶予」3件、「保護観察所先導委託条件付き起訴猶予」1件だとし、IUに誹謗中傷をしたユーザーにはIUの中学時代の同級生とみられる人物もいたことを伝えている。
◇IU プロフィール
1993年5月16日生まれ。本名イ・ジウン。韓国・ソウル出身。2008年9月にソロ歌手としてデビューした。芸名のIU(アイユー)は“I”と“YOU”の合成語で「あなたと私が音楽で1つになる」という意味が込められている。女性ソロ歌手としてトップに君臨しつつ、女優業も並行。2011年のドラマ『ドリームハイ』で連ドラ初出演&初主演を果たし、『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』『ホテルデルーナ~月明かりの恋人~』などで主演を務めた。2022年12月、俳優イ・ジョンソクと交際中であることを認めた。同年3月30日、映画『ドリーム~狙え、人生逆転ゴール!~』の制作報告会で女優活動時の名前を本名から「IU」に統一すると発表した。
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