メジャーリーグも羨む韓国プロ野球だけの“球場文化”…外国人選手も絶賛するワケ

認知度は十分ある。少なくとも韓国で野球をしたことのある選手や関係者ならば、韓国プロ野球KBOリーグを知らないことはない。

【写真】韓国プロ野球の華!「美女チアリーダー」を一挙紹介

次はブランド価値を高め、世界に進出することだ。ただ選手だけをアメリカや日本に進出させるのではなく、韓国プロ野球が持つ“特有のコンテンツ”を作り出すことにも目を向けなければならない。

小さな動きの一つひとつが全世界に広がる時代だ。韓国プロ野球の熱い応援とバットフリップ(打った後にバットを放り投げること)が、SNSや動画サイトを通じて何度か話題になったこともある。

2018年6月24日の韓国プロ野球で3ランホームランを放ち、
バットフリップをするネクセン・ヒーローズのイム・ビョンウク

メジャーリーグ公式サイトの動画コーナー『Cut4』に、韓国プロ野球の映像や写真が登場することも、もはや珍しくない。そのおかげか、韓国で初めてプレーする外国人選手たちも、活気にあふれた球場と豪快なバッドフリップを認知したうえで、韓国球団の新たなユニホームを着ることになる。

そのため、大半の外国人選手は韓国プロ野球の“球場文化”を肯定的に評価している。

かつてメジャーリーグのボストン・レッドソックスやサンフランシスコ・ジャイアンツといった人気球団でプレーしたLGツインズのケイシー・ケリーは、韓国野球の良さをこう話す。

ケイシー・ケリー

「韓国プロ野球で最大の良さはファンだ。もちろんメジャーにも熱狂的なファンはいる。ボストンやサンフランシスコでもファンの熱い応援を受けた。でも、スタイルがまったく違うんだ。アメリカの球場は決定的な瞬間のときこそ歓声が上がるけど、韓国では小さなプレーにもファンが反応する」

メジャーリーグも韓国プロ野球の熱気を羨望

メジャーリーグ関係者も、韓国プロ野球の躍動感を羨ましそうに見ている。なかでも一番羨ましいのは年齢層だという。

去る2月12日(日本時間)、アメリカ経済誌『フォーブス』の調査結果によると、メジャーリーグ視聴者の平均年齢層は59歳であることがわかった。NFLは52歳、NBAは43歳となっており、メジャーリーグの平均年齢層は他種目よりも高い。

若い年齢層の取り込みはトレンドの創出と成長につながる。

10代後半が最も好むNBAは、ここ10年で球団平均価値が6倍も跳ね上がった。NFLも3倍で、メジャーリーグは2倍の上昇にとどまった。

リーグ別の球団平均価値はNFLが28億6000万ドル、NBAが21億ドルであるのに対し、メジャーリーグは平均17億8000万ドルの水準だ。放映権や球団価値、視聴率など主要な指標でNBAの後塵を拝している。

ロッテ・ジャイアンツの本拠地である社稷(サジク)球場で応援するロッテファン

そのためメジャーリーグにも変化の必要性が唱えられた。タブー視されていたバットフリップも広い目で見るべきとの声も上がっている。

シンシナティ・レッズの投手アミール・ギャレットは昨年、SNSでこのような投稿をした。

「なぜバッドフリップに腹を立てるのか。もし誰かがあなたの顔の前でダンクをして汚い言葉を言ったのなら、復讐すれば良いだけのこと。バッドフリップされて腹立つなら、次の対戦で相手を三振に取れば良い。投手も三振を取って喜びを表すときがあるだろう。投手でも打者でも、どちらが何をしようと賛成だ。お互いに尊重さえすれば良い」

メジャーリーグはダイナミックにベースボールが行われてこそ、失った若いファンを取り戻すことができる。この先、規定の新設や改正が求められるだろう。

韓国プロ野球は、メジャーリーグはもちろん、日本や台湾のプロ野球よりも、応援を含む球場文化の先駆者となり得る。

昨年夏の韓国プロ野球、KTウィズパークで試合中に水鉄砲ショーが行われている様子

KTウィズが夏に行う水鉄砲ショーは、いつしかメジャーリーグでも名物となった。ロッテ・ジャイアンツ特有の野外カラオケやLED照明効果も、創意的な野球コンテンツとして分類できる。

韓国野球委員会(KBO)と各球団がそれぞれの良さを発展できれば、“エンターテイメント”という新たな付加価値を創出することも不可能ではない。

今シーズンも韓国プロ野球が活気に満ちた球場文化を作り出せるか、注目してみたい。

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