韓国プロ野球が大きな制度変更。FA資格取得期間やサラリーキャップなど…その内容とは?

1月21日に韓国プロ野球KBOリーグの理事会が行われた。

2020年初の開催となった今回の理事会で、KBOの規約とリーグ規定の改正案が確定した。数カ月にわたり議論がなされてきたサラリーキャップ制度は上限額が設定され、2023年から実行されることになった。

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最低年俸は2021年から2700万ウォン(約270万円)から3000万ウォン(約300万円)に引き上げられ、2020年シーズン以降はFA等級制が施行されることになった。

他にも、故障者リスト制度(試合または練習中に負傷しても、故障者リストに登録された選手は登録日数に含まれる)が2020年シーズンから施行される。

韓国プロ野球KBOリーグ

そして、FA取得期間も現行の高卒9年・大卒8年から、高卒8年・大卒7年と1年ずつ短縮される。期間短縮は2022年シーズン終了後にFA資格を得た選手から適用されるが、韓国プロ野球選手協会としては施行時期を2021年シーズン終了時点とする道を望んでいる。

FA制度変更による恩恵とは

制度変更が適用されれば、該当する年次にあたる選手が恩恵を受けることになる。FAまで2シーズンを残した選手には該当事項はないが、施行時期によってFA資格取得を3~4年残した選手の場合は悲喜が分かれることになりそうだ。

2021年シーズン終了後に制度変更が施行されれば、その年のFA選手はもちろん2022年シーズン終了後にFA資格を得る選手たちも、同時にFA市場に臨むことができる。その場合、キウム・ヒーローズのキム・ハソン(25)など恩恵を受けられる選手も現れる。

20代序盤から韓国代表に抜てきされ活躍するキム・ハソンは、すでに取得期間が1シーズン短縮されている。今夏の東京五輪で金メダルを得られれば、期間はさらに短縮される。

キム・ハソン

キム・ハソンはすでに6シーズンでプレーしており、2021年シーズン後にFA資格を取得することでビッグディールを生み出す可能性がある。だが、すでにキム・ハソンは2020年シーズン終了後のメジャー挑戦を宣言している状態だ。

2022年シーズン終了後に制度変更が適用され、兵役などがない限りは、それまで5シーズンを消化した高卒選手や4シーズンを消化した大卒選手は恩恵を受けることになる。

KTウィズのオーナーであるイ・スンヨン氏は、改正案の総評で「球団と選手がお互い譲歩し、助け合う時期だ。そういった側面から、最大限合理的な方向に改善されたと思う」と明かした。

次いで同氏は「新設した制度には試行錯誤もあったが、いずれ定着するだろう。足りない部分は持続的に改善すればよい」と、球団と選手の譲歩によって合理的な案が生み出され、持続的な議論を通じて制度を発展させていくことを強調した。

各球団オーナーの意見「かなり譲歩した」

サムソン・ライオンズのオーナーであるホン・ジュンハク氏は、「最低年俸引き上げやFA取得の権限など、球団にとって費用の負担が増える部分もあるが、電撃的に合意がなされた。すべての球団が制度改善の必要性に共感できたことで、かなりの譲歩をした。今後はこの制度が定着することが重要だ」と、今回の改善案に賛成の意思を示した。

球団運営を左右するサラリーキャップに関し、肯定的な評価を述べるオーナーもいた。

LGツインズオーナーのチャ・ミョンソク氏は「過去2年間を基準にした場合、サラリーキャップ上限額は100億ウォン(約10億円)を少し超えるだろう。この程度なら十分に使える規模だ。メジャーリーグではぜいたく税を支払う球団があるように、どの球団も優勝を狙うのであれば、上限額を超える球団もなかには現れるだろう」と説明した。

2019年シーズンの韓国プロ野球オールスターゲーム

また、NCダイノスのキム・ジョンムンオーナーは、「サラリーキャップ制度によって、球団運営にある程度のガイドラインが生まれた。予測可能な範囲内で球団を運営できる」と、サラリーキャップを通じて柔軟に球団を運営できると見通した。

しかし、サラリーキャップという名称自体に疑問を投げかける声もある。

ロッテ・ジャイアンツのソン・ミンギュオーナーは「サラリーキャップは金額を超えることができない。実質的にはぜいたく税制度と近いものがある。上限額を超えても球団がこれを受け入れるのであれば、一定の金額を支払えば良い。サラリーキャップとは根本的に異なる制度だ」と意見を示した。

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