ロサンゼルス・ドジャースとサンディエゴ・パドレスが来韓する「MLBワールドツアー・ソウルシリーズ2024」の試合会場をめぐって、とある韓国プロ野球球団が悩みを抱えている。
その球団は本来、高尺スカイドームを本拠地としているが、“ホームの利”を享受することができない。
それまで慣れ親しんだ人工芝がオフシーズンの間に張り替えられたにもかかわらず、“適応”もできずにすぐ試合に臨むことになる。
先に練習試合をこなすとはいえ、芝の状態がプレーに影響を及ぼすのが野球だ。監督としても頭を悩ませるしかない。
キウム・ヒーローズは来る3月17日、「MLBワールドツアー・ソウルシリーズ2024」のスペシャルゲームとしてドジャースとの練習試合を行う。
ところが、試合当日を除いて、キウムは本拠地・高尺スカイドームで練習することができない。
というのも、MLB側が同シリーズの期間、高尺スカイドームを完全に貸し切っているためだ。
キウム関係者は「ソウルシリーズが終了する21日まで、MLBが高尺スカイドームを貸し切っている。選手たちは17日になって初めて高尺スカイドームの芝を踏む」と伝えた。
問題は、キウムの選手たちにとっても、改装された高尺スカイドームの芝が“初体験”であることだ。
2015年の開場から今年で9年目を迎える高尺スカイドームは、今回のソウルシリーズ開催に伴い球場をMLB基準とするべく、人工芝を張り替えた。芝の衝撃吸収率と平坦度をMLBの基準に合わせたのだ。
つまり、従来の芝とはまったく異なる環境となった。キウムのホン・ウォンギ監督は、「従来の芝よりもっと硬い」と感想を明かした。
本来は戦いやすいホームゲームとなるはずが、キウムとしても慣れない環境でドジャースと相まみえることになる。最高のパフォーマンスを発揮できるかが懸念だ。
ただ、問題はそれ以降だ。
ホン・ウォンギ監督は「レギュラーシーズン開幕まで(高尺スカイドームでは)17日の1試合しかプレーできない。その部分が心配だ」と本音を吐露した。
韓国プロ野球KBOリーグはソウルシリーズ終了直後の3月23日から2024年シーズンが開幕する。レギュラーシーズンでキウムは72試合を本拠地の高尺スカイドームで戦うわけだが、序盤は新しくなったホームの芝に一日も早く適応する必要がある。
「どのチームにとっても、新装された高尺スカイドームの芝に適応することは同じだ」とホン・ウォンギ監督は言うが、当然ながらキウムは同会場で最も多く試合をこなすだけに、簡単に見過ごせる事案ではない。
ドジャースには大谷翔平(29)などスター選手が多数在籍している。新たに芝が張り替えられた本拠地で、キウムの選手たちは大谷をはじめドジャース打線の打球をミスなく捕球することができるのか。全世界の野球ファンの注目が集まっている。
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