「選手たちが怪我をするのではないか…心配だ」
ただでさえ不振が続いて悩みが大きいのにも関わらず、環境もチームを助けてくれない。
ホームスタジアムの“田んぼピッチ”騒動に包まれた韓国Kリーグ1(1部)の江原(カンウォン)FCの話だ。
元韓国代表GKで引退後は韓国サッカー協会(KFA)副会長なども務め、現在は江原の代表取締役を務めるキム・ビョンジ氏が、芝生問題のもどかしさを訴えた。
江原は今シーズン序盤から、ホームスタジアムである春川松岩(チュンチョン・ソンアム)スポーツタウンの芝生問題でKリーグ関係者から多くの叱咤を受けてきた。
元々、グラウンド中央部分が縦に大きく剥げていたが、最近ではタッチライン付近の芝生も荒れが目立ち、「本当にサッカー場なのか」と疑うレベルまで来ている。
実際、5月13日に同会場で行われたKリーグ1第13節の江原対水原三星(スウォン・サムスン)ブルーウィングスの試合では、荒れた芝生のせいでボールが不規則にバウンドしたり、選手が転んだりするシーンが見られた。
チケットを購入して観戦に訪れるファンに最上のパフォーマンスを見せなければならないプロスポーツにおいて、このグラウンドコンディションは到底容認することができない。
何より、このようなピッチ状態では選手の負傷のリスクが伴う。
同会場の管理主体である春川都市公社は、専門業者などに依頼して原因を探そうとしているが、思うような解決策は得られていない。
もっとも、クラブはもちろん韓国プロサッカー連盟、そして多くのサッカー関係者は、管理主体側で栄養促進肥料を誤って投入したがために、芝生が傷んでしまったものと把握している。
江原は春川都市公社との協力を通じて、芝生の捕植などで対策を講じようとしたが、これといった効果は見られなかった。
結局、連盟が18日に江原宛に公文書を送り、芝生改善計画の提出を要求する事態となった。
ひとまず、来る21日に同会場で予定している江原対浦項(ポハン)スティーラーズのKリーグ1第14節は開催するだが、改善策が見いだせなかった場合、次回のホームゲームとなる6月7日の第17節大田(テジョン)ハナシチズン戦は、開催可否を話し合うという立場だ。
キム・ビョンジ代表理事は19日、本紙『スポーツソウル』の電話取材に対し、「会場の管理主体が我々ではないため、難しい部分がある。春川市も管理をしようとしてミスが出たようだ。6月の国際Aマッチ期間のように、休息期間があれば(芝生回復に)良いかもしれないが、今は難しいだろう」と伝えた。
一部では、江陵(カンヌン)総合運動場や原州(ウォンジュ)総合運動場などの代替使用が提案されているが、これも難しい。
キム・ビョンジ代表理事は「江陵総合運動場は江原道道民体育大会など、さまざまな行事が重なっているため、我々のホームゲームを組み込めるかが曖昧だ。また、6月7日の大田戦は夜間に行われるが、原州総合運動場は照明施設がKリーグの基準を満たしていないと聞いている」とし、「つまり、Kリーグの試合を行うには現状、春川しかない。それまでに芝生を改善しなければならない」と強調した。
江原は連盟からの公文書を受け付けた後、春川市のスポーツ部門はもちろん、都市公社などとの協議を経た。
キム・ビョンジ代表理事は「正直、1990年代に我々の世代がプロ選手としてプレーしていたときも、練習場(の芝生)はここまでではなかった。選手たちに申し訳ない」とし、「チェ・ヨンス監督とも芝生の話をしている。春川市が今回の事案を深刻に考えている。最大限回復させて試合をしたい」と伝えた。
なお、現役時代にジェフユナイテッド市原(現ジェフユナイテッド市原・千葉)や京都パープルサンガ(現京都サンガF.C.)、ジュビロ磐田に在籍したチェ・ヨンス監督が率いる江原は現在、13試合を終えて2勝4分7敗で12チーム中11位に沈んでいる。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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