日本への対抗意識も。侍ジャパン宿敵・韓国指揮官が語る「初戦で勝ってこそ日本戦を楽に…」【一問一答】

韓国野球委員会(KBO)は1月4日、野球会館でWBCに出場する最終エントリー30人のリストを公開した。

目立つ点は、ソ・ヒョンジュン(21、KTウィズ)やイ・ウィリ(20、KIAタイガース)など2000年代生まれの若手選手や、メジャーリーガー三銃士の合流など最精鋭のメンバーで構成された点だ。

そこで今回は、野球韓国代表を率いるイ・ガンチョル監督とKBOのチョ・ボムヒョン技術委員長の質疑応答を通じて、代表メンバーの選抜過程と構想を聞いてみた。

イ・ガンチョル監督(左)とチョ・ボムヒョン技術委員長

以下、イ・ガンチョル監督、チョ・ボムヒョン技術委員長との一問一答。

―予備エントリーに含まれていたメジャー組のうち、パク・ヒョジュン(26、前アトランタ・ブレーブス)、ロブ・レフスナイダー(31、ボストン・レッドソックス)の2人が外れたが。

チョ・ボムヒョン技術委員長「レフスナイダーは個人的な事情があって参加できなくなった。パク・ヒョジュンは現在、所属先もない状況だ。であれば、国内の若い選手にもっとチャンスを与えようと思った」

―エドマンを選出することになった背景があるならば。

チョ・ボムヒョン技術委員長「エドマンは昨年にヨム・ギョンヨプ技術委員長(現LGツインズ監督)がアメリカを訪問した際、直接面談した。その際にエドマンの確答を得た」

イ・ガンチョル監督「(エドマンの)活用計画は(選手本人を)直接見なければわからない。ユーティリティとして活用できる。メジャーリーグでゴールドグラブ賞を受賞した選手だ。キム・ハソンとともにメジャーでプレーしているので、キーストーンコンビとして活躍できるだろう。主力として活用する計画だ」

―投手の選抜基準は何か。

イ・ガンチョル監督「オーストラリア戦をフォーカスして選んだ。オーストラリアの打者たちのスイング軌道を分析し、角の大きい変化球やフォークボールの良い選手たちが強みを見せるものと予想した。投手全体で見ると、フォークボールまたは角度の大きいカーブを決め球として保有している。

キム・グァンヒョンやヤン・ヒョンジョンは先輩として長年の経験を活かし、リーダーの役割を果たさなければならない。リリーフやクローザーが先発を務めるかもしれない。いずれにしても投球制限があるので、どうにか序盤の試合をモノにしなければならない。先発・抑えで中間なしに重要な瞬間で投手を起用する予定だ」

―チェ・ジマンは負傷のリスクがあるが。

チョ・ボムヒョン技術委員長「チェ・ジマンとは昨年12月に面談した。本人が代表に必ず合流したいと伝えた。所属先を移した状態で、肘の手術も受けたため、アメリカに渡ってメディカルチェックをした後、(参加するかどうかを)確定することを話した」

―捕手のバックアップとしてイ・ジヨン(36、キウム・ヒーローズ)を選んだ理由と背景は。

イ・ガンチョル監督「(捕手の)主力はヤン・ウィジで考えている。バックアップは昨年のポストシーズンを見て、年齢はあるがしっかり動けているのを確認し、チン・ガプヨン・コーチと多くの相談をした。実力面で見ても外すことのできない選手だ」

―チェ・ジマン、パク・ビョンホ(36、KTウィズ)のいずれも身体に問題があるが、指名打者の計画は。

イ・ガンチョル監督「カン・ベクホが入った理由は指名打者の座を活用するためだ。外野手が指名打者に入ることを防ぎたかった。キム・ヒョンスを指名打者として使って外野を3人起用することと、左翼手として起用してカン・ベクホを指名打者で起用することで悩んだ。後者の方がまだましだと判断した。我々はアジア圏で1次ラウンドの4試合を戦うが会場の東京ドームが小さいため、大きな一発を期待してパク・ビョンホを抜てきした」

―アン・ウジン(23、キウム・ヒーローズ)の合流可否について議論は交わされたのか。この先選ばれる可能性はないのか。

チョ・ボムヒョン技術委員長「選手選抜基準は技量も重要だが、国を代表する国家代表の象徴的な意味と責任感、自負心などを考慮して30人を決めた。今回30人を発表したが、ひとまずチェ・ジマンら負傷選手がいればエントリーの変化はあり得る。しかし、現状は今の30人で戦う計画だ」

―負傷の問題がなければ選手交代がないということか。

チョ・ボムヒョン技術委員長「そうだ。長い間悩んだ末、30人を選んだ。ホ・ギョンミンは突然連絡が来て、(腰の)負傷があるとして離脱することになった」

―正三塁手がチェ・ジョンしかいないが。

イ・ガンチョル監督「キム・ハソンを三塁手で起用することもできる。キム・ハソンが三塁手を務めれば、オ・ジファンが主力遊撃手になる。エドマンも三塁手でプレーできるが、エドマンよりキム・ハソンの方が安定するだろう」

―2000年代生まれのイ・ウィリ、ソ・ヒョンジュンら若手が目立つが、彼らへの期待と選出理由は。

イ・ガンチョル監督「彼らは皆韓国の未来だ。監督職に就いた後、本来は若手中心で進めたかった。しかし、結果を残さなければならないため、やむを得ずベテラン中心で選んだ。投球数の制限があるので、若い選手たちにもきっとチャンスが訪れるだろう。特定の選手を起用しないというより、すべての選手がコンディションが良ければ起用する可能性がある。ただ、調子が落ちたら起用できないこともある。そのため、一人でも多く投手を選んだ」

―左打者の割合が非常に高いが、理由は何か。

イ・ガンチョル監督「右打者が必要だという考えもたくさんした。そのため、パク・ゴヌを選んだ。パク・ビョンホを選んだ理由も左打者にこだわり過ぎているからだ。オーストラリアの先発陣のなかで左投手は多くない。左右対称で構成するというより、(オーストラリアに)左投手が多くないので、この程度の構成なら十分対処できると思う」

―ハンファ・イーグルスの選手が一人も選ばれなかったが、その理由は。

チョ・ボムヒョン技術委員長「最精鋭のメンバーを選んだ結果、抜けてしまったことを申し訳なく思う。予備エントリーにはあったが最終的に外れることになった。捕手3人の議論もした。一塁手もどこに比重を置くか悩んだ。幸いにも、捕手はケガがあればすぐに後退できるルールがある」

―オーストラリア戦について言及し続けているが、日本はすでに“排除”したのか。

イ・ガンチョル監督「オーストラリア戦が初戦だからだ。日本を排除するわけではない。オーストラリアとの初戦で勝ってこそ、日本との対決に楽に挑むことができる。オーストラリアが日程の後半にいたのであれば、フォーカスを合わせることは簡単ではなかっただろう。ちょうどオーストラリアが初戦なので全力で臨めるようになった。対戦運が良かったようだ」

―国民が納得できる具体的な目標や覚悟があれば。

イ・ガンチョル監督「目標を言うと上手くいかない方だ(笑)。しかし、(サッカーカタール)ワールドカップを見てとても満足したし、喜びを感じた。代表戦をお茶の間で見る方々もそのように考えるだろう。我々の選手たちも多くのことを考えているはずだ。何位になるかというより、日本は必ず抜け出したい(4強進出)。遠くに一度行ってみたい」

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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