現在の斗山ベアーズ最大の課題はチームの再建だ。2015年から7年連続で韓国シリーズに進出し、3度の優勝を誇る名門だが、今年は初の9位という成績でシーズンを終えた。
低調だった成績についてイ・スンヨプ監督は、「(外から見た斗山は)投打のバランスが悪かった。チームの平均自責点(4.45、10チーム中8位)が悪く、打率も2割5分5厘だった。最大の問題はエラー(117個)だ。エラーが多いと試合の流れが急に変わる。打撃も大事だが、ミスで相手にチャンスを与えてはいけない。守備を補強してこそ、かつての斗山のような活気に満ちたチームになれる」と前を向いた。
守備の強化にはマウンドの安定が優先だ。イ・スンヨプ監督が弱点として捕手を挙げたのも同様の理由からだろう。「パク・セヒョク(32)がFAの資格を得る。もしもチームを離れるのであれば、ダメージは避けられない。球団と話を交わしながら捕手が必要だという話をした」と語る。
これは扇の要を安定させ、守備のディテールを固めるという意味だ。今年のFA市場にはパク・セヒョクだけでなく、ヤン・ウィジ(NCダイノス、35)、ユ・カンナム(LGツインズ、30)、パク・ドンウォン(KIAタイガース、32)などが参入する。かつて斗山ベアーズに在籍していたヤン・ウィジのカムバックが、“イ・スンヨプ印ディテール野球”の根幹になる可能性もある。
イ・スンヨプ監督は“汗を流す”という哲学を持つだけに、仕上げのトレーニングから強力な反復訓練で基礎を固めるというのがチーム再建の礎になる。
これまで“ハッスルドゥ”が可能だったのも、しっかりとした基礎をもとに、相手の弱点を掘り下げたことだと振り返ったイ・スンヨプ監督は、「明日(19日)、利川(リチョン)で進行中の仕上げ訓練に参加し、コーチ陣、選手たちとの対話で失敗の原因を把握することが急務だ」とし、「これまでは韓国シリーズ進出でシーズンの失敗の原因を復習する時間がなかったが、今年は秋のキャンプを行うことになったので、問題点を性格に指摘して補完することに重点を置く」と強調している。
グラウンド外では物腰柔らかな紳士だが、ニフォームを着た瞬間、勝負師に急変するイ・スンヨプ監督。「私はおとなしい方だ。きつくない」としながらも、「試合では厳しくなる。エラーやボーンヘッドも出るが、頻繁ではいけない。怠惰、怠慢なプレーは見逃さない」と大きなメッセージを投げかけた。
そして「状況に合った野球をするためには、センスよくプレーしなければならない。ビッグボール・スモールボールを計算するより、試合状況を冷静に読んでプレーすることが重要だ。そのようなチームを作るのが目標」と志向を明かした。
「夢に描いていた監督になったので、今はもう少し高いところに向かって頑張らなければならない。今年、斗山は9位でシーズンを終えたので、毎年良い成績を残すチームにならなければならない。3年以内の韓国シリーズを目標に野球をしたい。監督生活の第一の目標」とし、「簡単ではないが、やってみる。しっかりと準備をして、3年内に韓国シリーズに進出したい」と話した。
現役当時、韓国のみならず日本でも一時代を築いた韓国の“国民的打者”が、監督として大きな目標を目指して新たなスタートを切る。