南米トップクラスのスターがソウルの地に足を踏み入れる。
6月の国際Aマッチに臨むブラジル代表のメンバー27人が、去る5月11日に発表された。
FWネイマール(30、パリ・サンジェルマン)やFWヴィニシウス・ジュニオール(21、レアル・マドリード)、FWガブリエウ・ジェズス(25、マンチェスター・シティ)、MFファビーニョ(28、リバプール)、DFダニ・アウベス(38、バルセロナ)など、欧州主要リーグで活躍するほとんどの選手が名を連ねた。事実上の“最精鋭”でメンバーが構成された形だ。
ブラジルは6月2日にソウルワールドカップ競技場で韓国代表と対戦した後、6日に国立競技場で日本代表と対戦する予定だ。
ブラジルは世界ランキング1位の“世界最強”とも言えるチームだ。カタールW杯南米予選は17試合14勝3分の無敗で首位通過し、1930年の初代大会から2022年の今大会まで全22大会で本戦に出場するという、“サッカー強国”として説明不要の強さを発揮している。
南米予選での戦いぶりも圧巻で、17試合で合計40ゴールと1試合平均2.35ゴールの得点力を見せたかと思えば、守備面ではわずかに5失点を記録したのみと、攻守で隙のないパフォーマンスを披露していた。
そんなブラジルは、来るカタールW杯で通算6度目の優勝を目指している。グループステージではセルビア代表、スイス代表、カメルーン代表と同じグループGに入った。
グループステージでアジア勢との対戦はないものの、UEFAネーションズリーグの日程によって欧州勢とマッチメイクできなかったため、韓国や日本を相手にすることになった形だ。
対する韓国にとっては、ブラジルは最高のスパーリングパートナーになる見通しだ。ブラジルはカタールW杯出場国のなかで最も戦力が優れていると言える。韓国がグループHで戦うポルトガル代表、ウルグアイ代表、ガーナ代表よりも1、2枚上手の国だ。
韓国としては同じ南米勢のウルグアイを想定した試合となるが、それ以上の意味があるといっても過言ではない。本大会でブラジル以上に強い相手と戦うことはほとんどないという意味だ。
ブラジル戦で南米特有の速いテンポの攻撃、優れた個人技を相手にするということだけでも、韓国にとっては大きな経験となる。ブラジル戦でのパフォーマンスが、本大会での成績を測る尺度にもなり得る。
韓国のブラジル戦での第1目標は、ネイマールやヴィニシウスといった個人技に優れる攻撃陣をいかに抑えるかだ。
ネイマールは今回の南米予選でチーム最多の8ゴールを決めた。今季リーグ・アンでも現在まで12ゴール6アシストを記録している。
ヴィニシウスは現在の欧州サッカーで最もホットなフォワードであり、若くしてレアル・マドリードの主力を張る。2000年生まれにもかかわらず、技量はすでにトップクラスであり、今季ラ・リーガでは17ゴール10アシストの活躍で、レアルのリーグ優勝に大きく貢献した。
2人のほかにも攻撃陣はスター選手が勢揃いだ。韓国の守備陣にとっては苦しい戦いとなることは間違いないだろう。
前線では、キャプテンでエースのFWソン・フンミン(29、トッテナム)を中心とする攻撃がどれだけ通用するかもカギを握る。
韓国を率いるポルトガル出身のパウロ・ベント監督は、カタールW杯での戦い方について、守備の比重を高めつつもチームのスタイルは維持すると話したことがある。
つまり、ブラジル戦では相手の攻撃陣をしっかり防ぎつつ、ボールを持った際には素早く敵陣に攻め込み、得点チャンスを生み出す実験をしなければならない。
ソン・フンミンは今季プレミアリーグで21ゴールを決めた。直近のパフォーマンスだけを見れば、ブラジルのどの選手と比べてもまったく劣ることはない。
ただ、チーム全体の戦力で見れば、ブラジルよりも韓国が下回るだけに、韓国としてはソン・フンミンのパフォーマンスを最大限引き出し、相手の隙を突く戦い方の完成度を高める必要がある。
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